2016年、「リッツ」や「オレオ」で知られた「ヤマザキナビスコ」が、米ビスケット大手「ナビスコ」との契約を解消し、 YBC(ヤマザキビスケット株式会社)になった。1970年以来おなじみの「リッツ」を手放したのである。
この結果、市場にはナビスコ社の新「リッツ」と、YBCのクラッカー「ルヴァン」が並ぶことになった。名称とブランドを引き継ぐナビスコと、生産技術と販路を握るYBCの真っ向勝負である。
この戦い、普通に考えれば製造と販路を握っているYBCの勝ちだが、旧リッツのシェアがすべてルヴァンに移行してようやく勝負は引き分け。万一1割でも新リッツが占めるようなことになればダメージは大きい。油断はできない。
CMでも、ナビスコが変わらないパッケージを見せつければ、YBCがリッツ時代の顔であった沢口靖子を起用。また、同一企業の協賛により、最も長く開催されたプロサッカーリーグの大会というギネス記録にもなっていた、「Jリーグヤマザキナビスコカップ」を「YBCルヴァンカップ」に変更した。「オレオ」に相当する製品が出てないことを見ても、クラッカーがいかに大きな市場か分かる。
ネット上でも、昨年来無数の書き込みが見つかる。この中にはどちらかの、または両方のキャンペーンだろう。リッツがなくならなくて良かったというもの、食べてみたらルヴァンのほうがおいしかったというもの。そういう分かりやすいものの他にも、提携が終わったこと自体を周知するのは、どちらにとって有利かなど、考察するのが楽しい。提携終了を知らない人が知るのだからYBCに有利にも思えるが、ナビスコが控えめに予想していた場合、食べ比べブームが起こり、期せずして新リッツの効果的な品薄戦略になるかもしれない。
そして最後はわれわれ消費者の目と口だ。店頭にどちらが多いかももちろんだが、とかく美味しくなっただの、まずくなっただの、製法・成分とは無関係のブームも起こりやすい。この際久しぶりに、空想を広げてくれる「大人の味」を食べてみてはどうだろう。
僕が買うとすれば,長年すりこまれたイメージで,深く考えずにリッツを選んでしまいます。いや?選ぶ以前にあのパッケージだけで中身の味がわかってしまっているからでしょうか。新しいパッケージの同類の商品だとしても,相当消費しなければ,その味まではすりこめません。ただし,一度でも食べて,とんでもなく美味しいとなれば別ですが?。そういえば,まだ試す機会もなかったですね。最近あまり食べない理由に,塩っけの多いものや,糖分の多いものや,粉っぽいものを避ける傾向もあります。お菓子に限らず,外食産業なども,ヘルシーさが求められる時代になっているのではないでしょうか。お菓子や外食は太ると言うイメージからの脱却ですね。