韓流

韓国製のTVドラマや音楽など、いわゆる「韓流」の人気が世界的に下がり始めているという。まあ、ムリもないと思う。韓流と言えば、例の「冬ソナ」だけは途中まで見たことがある。韓流も嫌韓もなかった時代のことだ。かつて「刑事コロンボ」を日本に紹介した、NHKの海外ドラマシリーズという、”目利き”の選んだ作品だけあって、最初はなかなか好印象を受けた。ドラマはヨン様たちの高校時代から始まるのだが、日本の学園ドラマに必ず出てくる、イキがったチンピラが出てこない。落ち着いて上品な学園ものという感じがして、新鮮だった。考えてみれば、高校生と言うにはトウの立った俳優が学生を演じていたのだから当然かもしれないが。

ところが物語は数年後、肝心の大人になってからが摩訶不思議だった。まず、ヨン様が何の仕事をしているのか分からない。何もない事務室で、ひとりでボーっとしているので、若くして窓際族になった男が奮起する物語かと思ったが、いつまでたってもその気配がない。記憶喪失らしく、喜怒哀楽も乏しい上、職場の仲間との交流もない。
これに対してヒロインは、設計デザイン事務所で働くキャリアウーマンで、仲間とのチームワークの中でバリバリ仕事をこなしていく。これはさしものヨン様も、鼻もひっかけてもらえないなと思ったが、予想に反して二人は惹かれ合っていく。

不思議なことに、普通のドラマならまず仕事上のトラブルや事件が起こり、そのせいで恋愛や家庭生活まで揺れ動くところだが、いつまでたっても仕事で何も起きないのだ。窓際族だからなのかもしれないが、窓際だからこそ、思いもよらない大スキャンダルに巻き込まれなくては話にならない。それやこれやで、不思議な物足りなさを感じつつ、途中で視聴をやめた。

すぐやめなかったのは、ところどころで、オヤと思わせるエピソードがあって、つい考え込んでしまったためだ。例えば、ヒロインが酔っぱらいのオヤジにしつこくからまれるシーンで、てっきりヨン様がオヤジを張り倒すものと思ったら、マアマアとなだめて終わってしまう。韓国が長幼の序にやかましい国というのは知ってたが、だからこそ、ついぶん殴ってしまったヨン様が窮地に陥るのでなければ話にならない。あるいは、そんな情けない有様を見たヒロインが愛想つかしをするかと思えば、それもなし。スッパリそれだけの描写で終わってしまったのにはびっくりした。何のためのエピソードかも疑問だった。

それと似たような違和感を、北朝鮮製の怪獣映画「プルガサリ」を見たときにも感じた。映画好きだった先代指導者様の肝煎で、東宝の特撮シームが参加したというだけあって、かつての「大魔神」を思わせるエキゾチックな世界に、それなりに見られる怪獣が暴れまくる映画である。が、屈強なイケメン主人公たちが、貴族の下っ端役人に来る日も来る日も迫害されるのだが、絶対に反撃しないのだ。歯を食いしばって恐ろしい目で睨み返すものの、やるのはそこまで。木っ端役人どもを血祭りにあげてナンボのシーンで、指一本上げない。そのうち唐突に現れたプリガサリが王宮めざして歩きだし、その後ろから主人公たちがワーワー言いながら付いていく。で、終わりである。
ただしこういう違和感は、日本やハリウッド製にはぜったいないだけに、興味ぶかかった。その後の韓流は一瞥してどこかで見たことのあるようなものばかりで、間に合ってますという印象しかなかったが。

高齢者はスターウォーズを熱く語る 2

さて、ゴールデンウィーク中に「ローグ・ワン」を見た。実は評価が別れているそうで、最高傑作という意見と、駄作という意見があるそうだが、私は圧倒的に前者である。見たのはレンタルなので、劇場で見なかったことを後悔した。ネタばれで書いていくので、これから見る人は以下は読まないほうが良い。ということで、ここで新技、改ページを。
(と、思ったら改ページわかりにくいですね。上の「高齢者は…」のタイトルをクリックして、記事ページに行くと、改ページアイコンがあります)