ジャズ・プレイヤーにあまりにも多くとりあげられているので、ポピュラー曲のように思うが、作曲家はクラシック畑の、クルト・ヴァイル(独1900-1950)。
ということで、きら星のように動画が存在するので、ひとつ選ぶのは難しいが、今回はソニー・ロリンズで。「サクソフォン・コロッサス」のモリタート(マック・ザ・ナイフ)は超有名だが、私自身子ども時代に発表されたもの。その後何度も日本、しかも北海道までコンサートを開いてくれた人なので、電気楽器をバックにして、メタル製のマウスピースで吹くようになってからの、新しい演奏のほうが親しみやすい。これは’81年、日本での「ライブ・アンダー・ザ・スカイ」コンサートの様子。
ちなみにソニー・ロリンズは、本当に”即興で”ソロをとるプレイヤー。ジャズメンなら当たり前だと思うかもしれないが、いわゆるアド・リブ部分は、即興でなく、練習時に作りためておいたフレーズを出しても一向に構わない。聞く方も作り置きかどうか、区別がつかないのだから。
ソニー・ロリンズは、本当に即興で、しかもコードやモードを再構成して作ったというより、ちゃんとメロディとしても聞こえるフレーズを紡ぎ出す。コンサートでは興に乗って予定以上のソロを続けたり、ところどころにしゃにむなフレーズを入れて、メンバーを戸惑わせたりする。そのへんも魅力だ。