AR(拡張現実)と、新しいビジネス

AR(拡張現実)という技術が注目されている。現実の風景の中にCGで作った架空のキャラクターなどを組み込む技術で、例えばこんな動画を作る技術だ。

かなり馬鹿馬鹿しい動画だが、日本の日常的な風景の中に突拍子もないキャラクターを組み込んであるので、どういう技術なのか分かりやすいはずだ。同じ技術を使って建物や看板などを別なものに置き換えたり、その場にいない人物をさり気なく組み込んだりもできる。表現の可能性と、それを広める手段が増えて来たが、一方でどうとでも作り変えられるということで、動画の信頼度は下がっていくのかもしれない。

ちなみに、この作者はこんな販売サイトを作っている。
https://goingtothe.store/
販売しているのは自分の作品のキャラクターで、とりわけ高額なチェスセットの商品写真は、CGだ。おそらく現物はなく、注文があったらこのCGデータをもとに、3Dプリンタで出力するのだろう。個人が、ネットとAR技術と3Dプリンタを駆使することで、イマジネーションを形にしてリスクなしで工業製品として販売できる。ごく最近までできなかったことだ。中小零細企業や斜陽業界が活路を見出すヒントがあるような気がする。

生誕祭の時節でござる

Googleのトップページが、楽しげなイラストになっていた。カーソルを当てると”’Tis the season!”の文字が。はて、”’Tis”(先頭にアポストロフィが入ってる)ってなんだろうと思って調べると、”it is”の古典的な言い方だそうだ。”the season”はいわゆるクリスマスシーズンのことだが、いろいろな宗教や休みをとれない人に配慮した「あの季節!」みたいな表現だろう。

広告業をやってると、いつからクリスマスシーズンなのか、いつも迷う。自分の仕事はとうに来年用にとりかかっているし、企業の対応は業種によって随分違う。好況の時代、デパートなどでは1日でも早くクリスマス気分を盛り上げようと、どんどん前倒しになっていった。11月というのも珍しくなかったし、今でもその伝統が残っている。

ただ、近年は早すぎるクリスマス訴求はさすがに時代の空気に合ってない気がしていた。大きな消費の伸びが見込めない中、不足しがちな労働力をムリに割くのは合理的じゃないし。世間一般がオッチョコチョイだった時にはそれも良かったのだが、コンビニが元日休みをとろうかと言う時代には、ちょっとトンチンカンだ。
そんななかでGoogleのメッセージを見ると、小売業でもなければ、今ぐらいからでもいいんだなあと思った。

As time goes by

ご存知、映画「カサブランカ」の主題曲で、作曲はハーマン・フップフェルド(1894年 – 1951)。
演奏しているビージー・アデール(Beegie Adair)は今年79歳になる女性ジャズピアニスト。大ベテランの割に名前を聞いたことがないのは、60歳代後半から注目されたから。youtubeで検索すると、Fly me to the moon,、酒とバラの日々、枯葉などの超々オーソドックスなナンバーが、オーソドックスなスタイルの演奏で並んでいる。あまりにオーソドックすぎて、若いジャズメンだったらもう少し冒険しても、と思うところだが、そこは年の功。無数のプレイヤーが演奏してきた名曲を、何万回も弾き続けてきて、誰よりも自分のものにしているという感じだ。

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