My Baby Just Cares For Me

Walter Donaldson(1893-1947)の曲。知らない曲なので少々気が引けるが、映画ファンなら、ジャズコンサートでは珍しくはしゃぎまくっているピアニストを見て、おや?と思うだろう。

ジェフ・ゴールドブラムである。ジュラシックパークでは、気難しく妥協を知らない数学者を好演し、主役のチラノザウルスの次くらいの存在感を見せつけてくれた。ロボコップのピーター・ウェラーとともに、「The Mildred Snitzer Orchestra」というジャズバンドを結成し、アルバムも出している。1952年生まれで現在72歳。こういう天真爛漫な歳のとり方も悪くないな。

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タイトル画像の話 / チェスとAI

間違ってるかもしれないが、チェスや将棋、囲碁の世界では、もはや人間がAIにかなわないそうだ。なんだか残念な話だが、膨大なデータベースを擁するAIとの勝負は、ブルドーザーとの綱引きみたいなもので、始めからハンデが大きすぎたような気もする。

伝統的なゲーム類は単なる娯楽というだけでなく、用具一式が美術工芸品になっているものも少なくないし、そのチャンピオンは特別な尊敬を受ける存在であり続けた。人間の知や美意識を極めた世界だけに、いつまでも少々気品に欠けるディスプレイ画面が王座に君臨していて欲しくはない。いつの日か、AIを超える人間のプレイヤーに出てきてほしいものだ。

さてCG制作では、コマの造形に頑張りすぎて、ボードがややイージーになってしまった。もう少し重厚で装飾性の高い造形にしたほうがいいのだろうが、技術力よりクラシカルな装飾ができるだけのデザイン力が足りなかった。一方、緑のフェルト風のテーブル面は、我ながらよく思いついたと思う。実際こういう場所に置くケースはないと思うが、ビリヤードの台のようなので、知的な勝負事の世界観に合ってるだろう。

そういえばビリヤードなど体を使うゲームも、AIと産業ロボットがタッグしたら強いのだろうか。

Taking a Chance on Love

Vernon Duke(1903-1969)の作曲。演奏は、Chad LB。シナトラやトニーベネットなども歌っている、ポピュラーの名曲である。ピアノとテナーだけでテンポなしのバラード調で始まった演奏は、小粋なスウィング感あふれるソロに。他の楽器がいない分助けがないので大変そうだが、のびのびと楽しそうである。

これはなんという曲だったかと、調べたら曲名は知らなかった。そして、出だしの部分はよく覚えているが、終わりのほうをはっきり覚えていない。レコードをちゃんと聞いたのではなく、テレビやラジオの番組タイトルかなにかで、後半部分まで流れなかったような気がする。古いポピュラーにありがちだ。
その昔深夜ラジオの「ナベサダとジャズ」という番組で、渡辺貞夫が「曲名をしらないまま演奏している曲もある」と言っていたのを思い出した。

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