タイトル画像の話 / 海賊船と古地図

海賊船を作るにあたって帆船や実際の海賊船の資料を探したが、どれも微妙に期待していたの違った。そのうち、これぞ自分の考える海賊船というものを発見したが、なんとBLACK PEARL号だった。カリビアンでデップなあれである。現実に作れるか航行できるかではなく、海賊船とはこれだというデザインをする。さすがはディズニーである。

海賊船は真っ黒で小さいのでざっくり作った。ロゴ部分は、地の部分が透明な横長の布に、物理演算で横から風をあてて波立たせた。他にも使い道のありそうな手法だ。

足裏ポンプでドーピング

長時間歩き回ることがあって帰宅後、体も頭も疲れていろいろな意欲が減退していたが、せっかく時間があるならと、めちゃくちゃな演奏になるのを承知でバイオリンを弾いてみた。するとやけに調子が良い。ミスは少ないし伴奏のテンポを先取りして、ちょっとアレンジする余裕まである。終わった後は体の疲れこそ取れてないが、眠気が覚めたようだった。
これは楽器を演奏したから頭が冴えたというより、歩き回ったせいで足裏ポンプでたっぷり脳に血液が回っていたためだろうと思う。スポーツでいう血液ドーピングだ。若いうちは歩く程度は運動のうちに入らず、常に血流が駆け巡っていたので足裏ポンプの効用など気がつかなかったのが、年を取ると僅かの差がコンディションに直結するようだ。早く気がついていれば、もっと歩きを生活習慣に組み込んでいたのにと、スーパーなんとか人タイムが終わった頭でぼんやり考えている。

赤い闇 スターリンの冷たい大地で 

1930年代の世界恐慌の最中、ソ連だけが驚異的な経済成長を遂げていることに疑問を感じたジャーナリストが、禁じられたウクライナへの取材を強行。多くの農産物が強制的に徴発され、人為的な飢餓が発生している現実を知る。2022年公開の、実話に基づく映画で、ウクライナ、ポーランド、イギリス共同制作。
あまり後味の悪い映画だったらいやなので敬遠していたが、ショッキングなシーンもあったものの、当時の町並みやファッションを丁寧に再現した美しい映像が印象的な良作だった。

共同制作に加わったポーランドという国は、第二次大戦初期に、ナチスドイツと密約を結んだソ連から同時に侵攻を受け、早期に降伏せざるを得ず、その結果アウシュビッツ強制収容所を設置されてしまい、また、多くのポーランド人がソ連に強制移住させられた。抵抗し続けていなければ、本当の迫害は降伏した後から始まることを知る国が共同制作した理由がわかる気がする。
ポーランドはロシアとは国境を接していないが、現在のウクライナ戦争でロシアが勝てば、ウクライナ軍がすべてロシア軍になり、ロシアが隣国になってしまう。そして、コメディアン出身でスキャンダルの噂もあったゼレンスキー大統領が、意外にも踏みとどまって抗戦を宣言し、講和にも応じないのも、ウクライナ人なら他の道はないのかも知れない。映画を見ながら、そんなことを考えた。