Poor Butterfly

John Raymond Hubbell (1879 – 1954)の作曲。動画は、ベニー・グッドマンの珍しいリハーサル風景である。「プア・バタフライ」とは、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」をテーマにした曲。けなげで気の毒な日本人女性の物語である。アメリカ軍人ピンカートンの日本での現地妻、蝶々夫人が帰らぬ夫を待ち続けた挙げ句、子供とともに死を選ぶという、現代ではいろいろピンとこないストーリーだ。今ならfacebookをたどってピンカートンの個人サイトにコメント。そこから炎上し、アメリカの怖い弁護士が寄ってきて、ピンカートンに泣きを入れさせるところまでがワンセットだろう。

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Take me out to the ball game /私を野球に連れてって

Albert Von Tilzer(1878-1956)の作曲による、同名のミュージカル映画の主題歌である。フランク・シナトラ、ジーン・ケリーの主演で、日本未公開だが洋画劇場で放映されたことがある。

映画そのものより、ヤンキースの試合では7回にファンがこの歌を大合唱するのだと聞いて、アメリカの野球は楽しそうだなと思ったのを覚えている。スポーツの醍醐味はチームとファンが作り出すもので、スタジアムではない。


そこで思うのは、やはり日本ハムの新球場だ。これまで本拠地だった札幌ドームから、北広島市に専用ボールパークを作って移転するそうで、球団のニーズを受け止められなかった札幌ドームや、残留運動を盛り上げられなかった札幌市民は、少々肩身の狭い思いをしている。

だが、一市民としてはそれはそれで良かったと思っている。使用料の折り合いがつかなかったそうだが、市営交通の利用促進にこだわるあまり、駐車場の整備をしなかったのも感心しない。チームとファンがいればそこがスタジアムだが、どちらの声も聞いてくれないのなら、北広島市に連れて行かれても不思議ではない。ともあれ完成が楽しみでしかたがない。

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I can’t give you anything but love

Jimmy McHugh(1894-1969)の作品だが、実に惜しい。作曲家の没年からわかるように、まさに今年2019年にパブリックドメインになるはずの曲だったが、「平成30年著作権法改正」により、昨年ギリギリで権利期間が伸びてしまった。今年になったら紹介しようと思ってリストアップしていたのだが。


これは、「ジプシー・ジャズ」と呼ばれる古いスタイルのジャズで、この頃はヴァイオリンとギターが組んだ、軽快で楽しい曲が多い。中でもこの曲は、動画のように今でも若い人に取り上げられているし、自分でもやってみたいと思っている名曲だ。

ブログのカテゴリーにしている「パブリックドメイン名曲集」は、自分の知っている、いつか演奏したいと思ってるような曲を気軽に紹介しようと始めたものだが、これまでのほんの数年の間にも大きな変化が起こった。それもなんとなく窮屈な方向の変化が。

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