ポップオーバー

ポップオーバーは中身が空っぽで、シュークリームの皮の部分だけのようなパンだ。小麦粉、玉子、牛乳をまぜてオーブンで焼くだけでできる。シュー皮だけむしって食べたいという人にはうってつけだ。


ポップオーバーのレシピ
(材料)
・小麦粉 50g(薄力粉、または中力粉、または適当にミックス)
・玉子 1個または2個
・牛乳 200g
・植物油 10g(忘れて入れなかったときもなんとかなったが)
(作り方)
・材料を室温にして、よく混ぜる
・金属製のプリン型等の内側に油を塗って、オーブンに入れ210℃に予熱。
・オーブンがあたたまったら、材料を型に半分くらいずつ入れ、15分焼く
・オーブンの扉を開けずに180℃にしてさらに15分焼く
・オーブンの扉を開けずにそのまま10分置く
(コツといましめ)
材料はかなり適当で良いが、途中でオーブンの扉を開けないこと。開けるとその場でしぼんでしまって、情けないものが出来上がる。210℃の高温で一気にふくらませたいので、材料が冷えていると膨らみきらない部分が多く残る。210℃焼きの期間でほぼ形が決まるので、その後180℃で固めて最後の10分間でしぼまないように内部の蒸気を抜きクールダウンさせる。小麦粉は薄力粉はサクサクにしあがり、中力粉はもっちりした部分ができる。

(型について)
ポップオーバー専用の型やマフィン型もあるが、百均のプリン型が手頃だ。大きなものではないので、百均としては高い感じだが、ずっしりと重く、内面外面ともに細かいエンボスが入っていて堅牢なつくりだった。

ポップオーバーはその昔、「堀井和子の気ままなパンの本」というレシピ本で知った。それまでのレシピ本は出来上がりの盛り付け写真や、途中手順の連続写真にレシピの文章が書いてあるだけのものが多かったが、この本はペンでささっと書いた挿絵とごく簡単なレシピのほか、ニューヨーク生活のエッセイなどが書いてあった。上記の変な絵はそのマネである。
シンプルな編集が新鮮で、しかも紹介しているのがベーグルやピタブレッド、小麦粉のトルティーヤ、ポップオーバーなど、後にカフェめしのネタになった素朴で洒落たパンばかり。このスタイルは流行るんじゃないかと思っていたら、案の定だった。時代はバブル崩壊の直前、豪華でリッチなものがあふれかえった反動として出てきた、シンプル志向の走りだったような気がする。.

リンゴのグラッセのせフレンチトースト

先日リンゴをいただいた。木のオーナーになっている方で、品種はフジだと思う。同じ方から同じ木のリンゴをいただくようになって、年によって実の大きさや数はかなり違うものだと知った。で、今年はデパートかと思うような大ぶりである。もいだばかりのリンゴは硬い。熟していても強固な感じで、いつまでも日持ちがする。味も日頃口にするものとは違っていて、生命力がたっぷり詰まっているようだ。

だが、家族が少なくなり、大物のリンゴを1個食べきるのにも時間がかかる。茶色くなっていくのが忍びないので、切った分を砂糖で煮てみた。アップルパイの中身である。その場合、リンゴの品種は固くて酸味のある紅玉が定番だが、いただいたフジで作ったものは、火が通ったせいか香りがたって、そのまま食べるのがもったいないような上品さだ。そこで、カスタードクリームと一緒に、フレンチトーストに乗せることにした。

私は、酒は進んで飲む方ではないが、洋菓子はリキュールなどの強い洋酒がビタビタに染み込んだのが好きだ。最近はなかなかそういうのはお目にかからないが、カスタードには梅酒をたっぷり入れた。アプリコット・ジャムをアップルパイに塗るくらいだから、相性はぴったりである。さらにフレンチ・トーストの仕込みは一晩玉子と牛乳につけ置く、帝国ホテル式。たっぷりのグラスフェッド・バターで焼き、さらにカラメルも作って少しふりかけてみた。リンゴの香り、梅酒のピリっとした刺激、カラメルの苦さが相まって、カフェメニューみたいになった。

・・・さすがにうまかった。

箸で切れる、輸入豚肉の”骨切り”トンカツ

某レシピサイトみたいなタイトルだが…。

スーパーの特価の輸入豚肉はちょっと怖いくらい安い、そして非常に硬い。年々歯が弱くなってきたせいで、トンカツにかぶりついて、歯が危うく感じたこともある。固くて安いものを選んで輸入しているのではなく、生産地では普通に食べているものだと思うので、諸物価高騰の折、柔らかく食べられる調理法があれば大助かりだ。

「肉を柔らかく」で検索すると、パイナップルやキウィ、舞茸、玉ねぎなどでマリネする、肉叩きで叩きまくるなどの方法が見つかったが、それなりに試してみたがいまいちであった。その中の、「ミルフィユカツ」という、薄切りの肉を重ねて揚げるメニューを見て、ふと、和食の技法である「骨切り」を思い出した。鱧などの骨の多い魚を開いて、狭い幅で細かく切れ目を入れていく技法で、皮一枚分残して切るという手練の職人芸である。これを豚のトンカツ用切り身で試してみた。使った包丁は菜切だが、キレキレに研いでおいた。

肉は下まで切らないよう奥と手間に割り箸を置き、2~3ミリ幅で片面を切ったら、裏返して同じ角度でもう一度切る。これで広げれば網目になるのだが、なるべく広がらないようまとめるように小麦粉、卵、パン粉をつけて揚げた。火が通れば肉の切断面はくっついてしまうので、仕上がりは普通のトンカツと変わらない。筋切りの効果もあるので、反ることもなかった。肝心の柔らかさはと言うと、ちゃんと箸で切れた。あれだけ切り刻めば当たり前ともいえるが、手間がかかるようでいて、むしろマリネや肉叩きより時間はかからない。知られた技術かもしれないが、自分で考えたのが自慢だ。

その後、これに気を良くして各国の特価の豚を比べてみたが、アメリカ、カナダは見栄えが良いのだが味わいは淡白。南米産はドリップがあるなどブサイクだが、ちょっとだけ銘柄豚を思わせる香りがある。スペイン産はさすがイベリコの産地、安くても一味違うと思わせるものがあった。(かな?)