Easy to Love

コール・ポーター(1981-1964)の作品。歌はエラ・フィッツジェラルド。

3月以来のパブリック・ドメイン名曲集である。好きな曲、知ってる曲は尽きてしまった感があるので、知らない曲だが、今聞いても「いい感じの曲」ということで。アーチストは、歌声になじみのあるエラ・フィッツジェラルドを選んでみた。チャーリー・パーカーの演奏動画もあったが、録音が古すぎた。結局コール・ポーターに何度目かのご登場を願うことになってしまった。
エラ・フィッツジェラルドといえば、スキャットのアドリブを入れることで、モダンジャズのボーカルのスタイルを確立させた人。ただし、この曲ではアドリブがない。スローな曲だからかもしれないが、楽器ならスローでもアドリブが入るので、まだスタイルができてなかった頃の録音かもしれない。

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Just Friends

John Klenner (1899-1955)の作品。

Just Friends は、学生のクラブ活動などでジャズを始めたばかりの人が、最初に練習する曲のひとつ。テーマが終わったら各楽器のソロ、ドラムとのフォーバースなど、この曲を仕上げながら一通りのことを経験していく。動画を演奏しているJon Burというプレイヤーは演奏活動をウェブサイト(https://jonburrquintet.com/)だけで公開しているらしい。ここでは4人だが、URLはquintetになっている。

有名な曲なので誰の演奏にしようか迷ったが、今まで全く知らないプレイヤーを選んでみた。ベテランによる模範演奏ともいえるオーソドックスなスタイルと、リラックスした雰囲気がとてもよかったからだ。狭い店の片隅にドラムやピアノまで置いてあって、画面には見えないが手前はすぐテーブルになっているらしい。場所もいい感じなので、ストリートビューで確かめてみると、Yonkersという地ビールの醸造所に併設されたピザハウスだった。ネットもいいけれど、その場じゃないと味わえないものは、まだまだたくさんあるようだ。

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The Best Things in Life Are Free

Ray Henderson(1896-1970)の作品

作曲者の権利が切れた作品の中から、自分の知っている良い曲を、という主旨のパブリック・ドメイン名曲集だが、今回はこれまで知らなかったが、最近良く聞いているお気に入りの曲を。作曲者の没年が1970年だから、権利切れは2020年(のはず)。いわばパブリック・ドメインの新曲である。題名は「人生で最も価値あるものは自由です」...ではなくて、「...無料です=お金では買えない」という意味。
バイオリン演奏のJason Anickは、ジャズバイオリニストでバークリー音楽院の指導者。ジプシー・ジャズと呼ばれるヨーロッパの古い演奏スタイルを現代にアレンジして、楽しく、古臭さを感じさせない。
ネットでテキストや伴奏、模範演奏動画を公開するなど、ジャズバイオリンの指導にも熱心だ。私のyoutuber先生の一人である。