タイトル画像のはなし / 押しピン

CG空間では、比較対象物がなければ物体のサイズはあいまいで、ミニチュアなのか実体サイズなのか、区別できなくなる。現実世界では物体との間に空気があって、塵の乱反射などで遠いものと眼の前のものは区別できるが、CG空間は完全クリーンである。そこで、オリジナルな物体は、誰でもサイズがわかっているものを周囲に配置すると、サイズがわかりやすくなる。
この画像では、押しピンからぶら下げただけで小さいアクセサリに見える。また、押しピンの並びをやや不規則にし、やや見下す角度の目線にし、背後をベニアっぽくしたことで、フリマなどの個人の手作りアクセサリ販売風景らしく見えてくる。

吊った位置のせいでYの字が傾いているところが、今回の見せ所。端っこで吊るしたせいで重さで傾いているように見せてみた。重力の影響を計算してくれる「物理演算」という機能もあるが、そこまでしなくてもちょっと回転させてやるだけで、「あるある」な演出になる。その点で言えば、Lの字の傾きは逆に振れてなければいけない。この絵だと壁に貼り付いているように見えるかもしれない。

タイトル画像の話 / ハロウィン

ハロウィンは自分で参加したことのない行事なので、ちょっと時期があいまいだ。そのせいで予約投稿を間違ってしまった。それはともかく、ハッピーハロウィン!

CGは照明の配置が難しいが、今回は思わぬ光の効果が生まれたので気に入っている。画面が少々傾いているのは、ホラーな感じを出そうとしたからだが、だらしなく見えるかもしれない。最近、一枚の平面の裏表を違う色にする技術を覚えたので、文字に使ってみた。この場合は表面が黒だが内面は赤なので、ところどころ穴を開けてやると中の色が見える。という狙いだったが、内側まで照明が届かず、暗くて何も見えない。そこで文字ごとに内部に光源を入れたら、ご覧のように床面にきれいな反射が出た。こういうところはちゃんと計算で出せなければならないのかもしれないが、作ってる分には成り行きまかせも楽しい。

タイトル画像の話 / 展覧会

blenderで試したい技術があったので、作ったもの。意味のない形だが、展示会風にするとそれらしく見えたのではないかと思う。

CGの物体の色は照明の使い方で全く変わる。例えば赤い物体でも、光が強くあたった箇所は白、当たらない箇所は黒になる。それ以外の箇所はピンクだったりえんじ色だったり、全体的に茶色にしか見えないというようなことも起こる。さらに鏡面のように光を反射するのか、または布のように反射しないかなど、表面の性質でもかわる。
なので画像全体としては光線のあたり具合によって、あちらを立てればこちらが立たずで、思った通り作るのは難しい。最終的にお絵かきソフトでハイライトや影を描き込んでしまうことも多い。今回はそういう後工程なしでできたので、なかなか満足である。

こんな風に照明や物体の素材感の、いい感じの組み合わせが見つかったらそれを記録し、蓄積してゆくのがCGのノウハウだが、そこまで書いてる解説書はない。体当たりで独学するしかないのだ。自分は40年以上3DCGをいじってきて、少しはノウハウがあったつもりだったが、BLENDERに乗り換えたらそれらが通用しなかった。ようやくわかってきた部分もあるが、実写背景との合成や、動画作成など、先は長い。ノウハウを積めば積むほど新しい技術が追加されていくところは、逃げ水を追いかけてるようなものだ。そこが面白いところでもあるのだが。