サーカスワゴン

Blenderで、昔のサーカス一座のワゴンを作ってみた。現代の自動車はボディを作って4輪を並べれば終わりなので、作っていても張り合いがないが、馬車は作っていくうちに構造がわかってきて面白い。馬車と言っても箱に車軸を通すだけではなく、馬の牽引力が直接前輪の車軸を引っ張るようにできている。そこから更に後輪の車軸につながってシャーシになる。その上には板バネがあり、上部の箱を支える。上部がただの箱なら荷馬車、幌をつければ西部劇の幌馬車、全体を木で作ればサーカスのワゴンとなるが、基本のシャーシの構造は変わらないようだ。
英国国王の戴冠式で使ったような馬車は、貴婦人でもステップを2.3段登れば乗り込めるよう、中央部をうんと下げてある。荷馬車のように前後の車軸をまっすぐつなぐことはできないので、おそらくお椀状にカーブを描く車体全体に頑強な構造が組み込まれているのだろう。初期の自動車は、そういう馬車にエンジンを積み込んだような構造をしている。

どんなマニアックなジャンルも、探せば詳細な情報が手に入るのがインターネットの良いところ。今回は昔の馬車の模型に関する専門サイトを発見した。
https://www.vclco.com/wagons-carts

三角バナーを一枚ずつ微妙に揺らすなど、細部にもけっこう凝ったつもりだが、いまいち馬車自体の構造がわからないのでごまかしてある。

タイトル画像の話

最近になってようやく、Blenderのマッピング機能のコツがわかってきた。CGの機能は、理屈や操作法は説明を読めばすぐわかるが、実際の画像に使うためにはコツを身に着けなければならず、それがケースバイケースなので難しい。マッピングというのは、造形物の表面に、別な画像を貼り付けて色や質感を表現する技法だ。今回の象のタイトル画像では、真っ白い象のぬいぐるみに「チェック布の柄」や「光沢のない布の質感」などを貼り付けた。床には「不利洗剤(?)のラベル画像」と「ガラス風に光沢や周囲のものを写し込む質感」を貼っている。
けっこうそれらしくできたが、顔から鼻にかけての部分を見れば、ぬいぐるみに詳しい人なら本物は布がこんなふうに伸び縮みしないというだろう。また、床にはぬいぐるみが映り込んでいるが、実際どんな角度でどの程度映り込むかなどは表示してみないとわからない。今回はちょっとくどいくらいだが、「実際にそういうものがある」感じは出ていると思う。思いつきさえ良ければ、爺様にもそれなりにかわいらしい画像が作れてしまうのがCGのいいところだ。

キャラクター新作とザビエルの謎

CGでキャラクターを作った。キャラクターはCGの定番ジャンルなので、自分でも何度か挑戦しているのだが、相変わらず顔が作れない。もう少し”人となり”が伝わる造りや表情にしたいのだが、ゆるキャラ風に逃げてしまった。顔というのは難しいもので、人間は普段から他人の感情を読み取りながら生きているので、ちょっとした顔色の違いにも敏感だ。能面師の方から聞いた話だが、ほんの紙一枚分削ったかどうかで表情がまるで違ってしまうのだそうだ。ということで顔は大変に難しいのである。OLDBADBOY先生の次回作にご期待ください...。

ところで、キャラクターがつけているジャバラ襟の資料を探した時のこと。フランシスコ・ザビエルの肖像画についてたと思って検索したが、違った。ではシェイクスピアの勘違いかと思ったが、これもはずれ。どちらも普通のちょっと大きめの襟だった。強いて言えばエリザベス一世や、天正遣欧少年使節にはそれらしい襟がついているのだが、探している画像ではない。
自分の頭の中には、ひげをはやしてジャバラ襟の服を着た男性の肖像画が、かなりはっきり思い浮かんでいるのだが、もしかしたら妄想なのかもしれない。これもまた歳のせいかと少々心配になったが、ザビエルと言えばジャバラ襟と思い込んでいる人は他にも多いらしく、そういうイラストがたくさん出てきてちょっと安心した。