突然の啓示

それは突然起こった.先日,いつものようにバイオリンを弾き始めると,それまでと違って,何を弾いても実にスムーズに演奏できるようになったのだ.楽譜やお手本動画の有無に関係なく,頭にフレーズが浮かんだら間髪をおかずに指が動き,弾いてしまう.いつも正しい音程を押さえられずに苦労していたのがウソのように,ミスもほとんどなくなっている.なぜ間違った音程を押さえてしまっていたのか,今となっては不思議にさえ思える.

おそらくは練習の成果というべきなのだろうが,毎日やっていたわけでもなく,やってもせいぜい15分程度である.これでは音楽家を目指して日々練習している若い人に申し訳ないくらいだが,実際,どんな曲でも簡単に弾けてしまうのだ.試しに普段弾かないクラシック曲をいくつかやってみたが,特に難しさを感じないのだ.

なぜ突然弾けるようになったのか.それはおそらくこういう理由だ.我々はたとえ楽器を弾かなくても,日常生活の中でさまざまな音楽に触れている.TVCMやドラマのBGM,打ち合わせに入った喫茶店の店内音楽など,意識してなくても頭の中の引き出しに入っていたのだろう.それが60年分ともなれば,相当な情報量になる.モーツァルトだってそんなに長い年月音楽に接していたわけではない.子供の頃にそれだけ音楽の知識があれば天才だが,歳をとっているというだけで,自然に蓄積されている.あとは指の動きがついていけるようになるだけだったのである.

このブログは,激安バイオリンで頑張るぞという主旨だったが,今はさすがに音色が情けない.すぐにでも虎の子をはたいて,できるだけ良いバイオリンを手に入れよう.そして近いうちに,地元のオーケストラのオーディションに挑戦してみよう.合格とはいかないまでも,1年未満という経験年数に驚く顔が見えるようだ.

orchestra

 

 

 

 

 

4月1日はエイプリルフールです.
次回4月6日からは,また真面目に書きます.

クリスマスまでに

クリスマスまでに毎年春が近づくたびに,今年こそどんな楽器でもいいから,クリスマス・ソングを一曲ものにしたいと思い続けてきた.春から始めれば,12月までになんとかなるのではないかという思惑だ.今まではそれらしい楽器を持ってなかったが,今はバイオリンがある.これはやるしかないのではないか.
多分そんな風に考える人がたくさんいるのだろう,動画サイトでバイオリンのクリスマスソングを探すと,演奏よりも指導の動画のほうが多かった.特に「バイオリン」より「フィドル」で検索した場合に.それだけパーティなどで音楽を演奏して楽しむ機会が多いのかもしれない.そう考えると,日本ではこの行事だからこの歌をという機会が少ないかもしれない.

とは言え、クリスマスソングには,季節外れの時期に練習しなくてはならないという,他の曲にはない難しさがある.夏の暑い最中に,どこからともなく下手くそなバイオリンのジングルベルが聞こえてきたら,吹き出さないまでも,思わずニヤリとしてしまうだろう.

余談だが,昔からさまざまな戦争で,クリスマス前の決着を目的とした作戦が立てられた.が,そういう皮算用な作戦は,ほとんど失敗に終わっている.「クリスマスまで」というのは,死亡フラグ(*1)の一種ではある.

*1:死亡フラグ:映画のワンシーンで,「この戦争が終わったら,故郷で幼なじみと結婚するんだ」と語る戦友はたいてい戦死する.それと同じに,これを口にすると不吉,あるいは失敗する者が言いがち,というセリフなどのこと.

次回「ヴィオラもいいなあ」(4/1公開予定)

乞うご期待

失敗と見込み違い

当初,激安バイオリンを買って,好き勝手にいじりまくっている割には大失敗がないものだと悦にいっていたが,実はちゃんとやらかしていた.チューニングに笛がついてきたが,そんなもので調律できるほど耳ができてないので,最初からデジタル表示をつかっていたのだが,丸々オクターブ下に調律して気が付かなかったのである.いくらなんでもと思うかもしれないが,素人というのはそういうもの.一番低い弦は張りが緩すぎてブルブルと妙な振れをしていたのだが,技量のせいだと思っていた.

それを正しい音程にするときは,張る強さが怖いほどだった.あの小さな木の箱に,大の大人が渾身の力で巻き上げた弦の力がかかるのである.ただの木箱なら壊れてしまっただろう.そのへんもまた,バイオリンの形と構造の優れた点なのだろう.正しい音程に調律しなおした弦は,弓の動きもずっと楽で安定した音がでるようになった.当たり前だろうけど.

バイオリンは耳が痛い見込み違いというのは,予想以上に音が大きくて甲高く,耳が痛くなることだ.楽器を鎖骨の上に置くのでそこから振動する分もあるかもしれない.ヘッドホンをしたまま演奏するくらいでちょうどいいくらいなのだが,周囲の者にはそれほど大きな音ではないらしい.それほど理解のある者ばかりではないはずなので,自分にとってはやかましいが,十分な音量が出ていない可能性もある.
また,気が付かないうちに奥歯を噛みしめてしまう.楽器は顎と肩で挟んで支持するが,歯を噛みしめる必要はないはずなのに,どうしてもやってしまう.その分,肩に力が入ってるかもしれない.こういうことはきちんとした指導者についていれば,すぐ矯正してもらえるのかもしれないが.

次回「失敗と見込み違い」(3/28 公開予定)
乞うご期待!