Blues&JazzのPlay Along

以前にも紹介したChristian Howes氏の動画。簡単なブルースのPlayAlong動画で、キーはD。

Dのブルース。コード進行は DDDD/GGDD/AGDA のはず

Play Alongというのは見て分かる通り、先生の演奏した直後に同じフレーズを弾く練習のこと。我々には個人指導でない限り、こうした練習を受ける機会はなく、しかもバイオリンだとポピュラー音楽の指導を受けるのは難しいだろう。

1対1で先生と交互に弾いてみせるやりかたは、いわば落語家や歌舞伎役者、僧侶が入門した弟子を指導する時と同じで、非常に贅沢な指導法だ。まして相手はバークレーのジャズ・バイオリンの先生である。自分程度の者がこれを見られるだけでも、youtubeの恩恵と言わなければならない。

これまでこの人の動画は、日頃はプロ志望者を相手にしているだけあって、かなりレベルが高かったが、最近になって連日のようにごく簡単なフレーズのPlay Alongを公開し始めた。小中学生も対象としているせいか、妙にニコニコ顔なのが気になるが。

楽譜なしで頭に浮かんだ音をアドリブできるようになるためには、まず楽譜どおりの演奏を極めなければならない、と思ってる人が多いようだ。が、実際にはアドリブにはアドリブのための独自の練習が必要だ。コードやスケールの音と指の位置と同時に、ブルースやJAZZのフィーリングを持ったリズムを身につけなければならないが、Play Along動画なら難しく考えることなく、ただ何度でも先生のマネをすればいい。また、繰り返し聞いてるだけで、アドリブフレーズの蓄えができたり、自分のパートが入るタイミングが身についたりと、良いことづくしである。

STROH VIOLINの構造2

STROH VIOLINは重さが2キロもある。金属のラッパがついてるのだから当然だが、普通のバイオリンが500グラムほどだから、同じようにあごに挟んだだけで手放しで支えることはできない。買う前にそこが心配だったが、持ってみるとラッパが二の腕に乗っかる感じで、やや重さが軽減される感じがする。まっとうなプレイヤーなら、そこが邪魔だと感じるのかもしれないが、本体が重くてフラフラ動かないので、運指が安定するような気がする。もちろん、高低のポジションを素早く行き来するような曲は難しいだろう。

ヘッド部の巻き上げをギヤではなく木のペグに取り替えることも、ヘッド部分に穴を開け直せばできるかもしれない。ただし、この部分を普通のバイオリン用の既製品ととりかえてしまうのは無理なようだ。STROH VIOLINは胴の代わりに木の棒が本体になっていて、一体構造だ。材質も家具などにつかうような堅牢そうなもので作っている。ネット上では、普通のバイオリン用のネックや指板までパーツ売りしてるので、これがそのまま使えたら面白かったのだが。

ネック部分は本体(木の棒)と一体化している

STROH VIOLINの構造

STROH VIOLINの特徴は、大小2本のラッパ管だ。大きいほうは演奏を流す方で、小さなほうは演奏者が音を聞くためである。普通のバイオリンには共鳴する胴体がある上、あごで挟むことで骨電動するので、演奏者は実際以上に大きな音を聞ける。STROH VIOLINはそれがない分、耳元で音を鳴らす小さな管が必要なのだそうだ。
だが、小さいほうはつけなくても聞こえる。また、大きなほうも、管楽器ほど大きな音が出るわけではない。

今回手に入れたSTROH VIOLINは、弦の巻取りがギターと同じギヤ式になっている。これは普通のバイオリン奏者からすると邪道に見えるかもしれない。同じSTROH VIOLINでもバイオリンと同じ木のペグ式のもののほうが多いようだが、実際にまわしてみると一発でチューニングが決まり、木のペグが馬鹿らしく感じるほどだ。

弦の振動を受け止めるブリッジは、普通のバイオリン用と同じだが、削り方はちょっと違っていて、バイオリンは胴体のカーブに合わせて脚の底部もカーブさせるが、STROH VIOLINは平らな金具の上に乗せるのでまっ平らである。
ブリッジの上面はかなりカーブが緩い。カントリーや民族音楽では、難しいフレーズは無い代わりに景気よく早いフレーズを弾くので、次の弦に移りやすいようにカーブを緩くすると言われているが、今回のほど平らに近いと隣の弦を触ってしまうので、私には使えない。そこでさっそく削り直すことにした。しばらくの間、大好きなブリッジ削りが楽しめるというものである。