最近腰が痛い。立ち上がるときなど、うっと言ってしばらく固まることがある。痛さもさることながら、自分は痛みをかかえて腰の曲がった爺さんになったまま一生を終えるのかもしれないと思うと気が沈む。だが、気分が落ち込む一方で、長年付き合ってきた自分の体だけあって、まだなにか打つ手がありそうな感触もある。そこで病院やマッサージ、痛み止め薬などを考えたあげく、あるときヨガはどうだろうと思いついた。そしてYoutube動画のなかに、寝たままでできる簡単そうなやり方を見つけて試してみたら、これがなかなか良かった。
腰が痛む原因のひとつは、太ももの裏側にあるハムストリングという3本の筋肉が固くなっているせいだそうだ。腰痛の改善には、膝を立てて仰向けに寝て、片脚ずつ体に引き寄せるのだが、動画の講師は足が伸びてつま先が床に着くが、自分は膝が曲がって全く伸びない。割と体が柔らかく、ヨガ講師のようにできた時代の記憶しかなかったので、ショックと同時に、なるほど固くなっていると納得した。ポーズをとってそのまま何分間か保つだけなので、若い頃なら運動にもならないようなものだが、歯を食いしばって堪えた。そのせいかやや痛みは和らぎ、ほんの少しだが道がひらけた感じがする。続けてみる価値はある感じだ。問題は、手足がすっと伸びたポーズが作れないので、おかしな格好をしているだけにしか見えないことだ。
ヨガは人にやってもらうのではなく、人間の体の構造を活かして、テコの原理や体重で自分の体にマッサージやストレッチを行う技術だ。昔古武道の道場でに体重や体の構造を活かして相手にダメージを与えることを習ったが、それを自分に対して、ダメージではなく適度な刺激として与えるわけで、なかなか理にかなった技術だと思った。
このままヨガのおかげで腰痛緩和となれば御の字だが、だとしたらヨガ業界は戦略を間違ったと思う。ただでさえ若くて健康な人が、内面から健康になって充実した生活を送るためのしゃれなスキル・・・が必要だと思う人がそれほど多いとは思えない。むしろ長年いろいろなつらい思い重ねてきた年寄りに、「この上さらに痛みをこらえて生きるなんて、まっぴらだと思うだろう?」と語りかけるべきだろう。「金で済むなら、出すぞ」という人がいくらでもいるはずだ。


