パーカーソーラープローブが5番目の金星フライバイを達成

NASAの太陽観測宇宙船、Parker Solar Proveは、10月16日、金星の重力を利用したフライバイに成功した。今回のフライバイで、宇宙船は時速9,720キロメートル減速。前回8月のの太陽への接近時よりも190万キロメートル近づいた軌道をめざす。

惑星重力を使ったフライバイは、宇宙計画でも特にダイナミックな出来事だ。たとえばテーブルの上に惑星に見立てて円柱型の磁石を置き、その周りを宇宙船に見立てたパチンコ玉を転がす。すると磁石に近づく角度や速度の違いで、吸い付いてしまったり、そのまま直進したりするが、程よい加減で転がすと、磁石に引っ張られて角度を変え、別の方向に向かって転がっていく。これを宇宙的規模で行うのがフライバイだ。

今回は金星の重力を利用して宇宙船の速度を落とした。低速で近づけば磁石にくっつきやすくなるのと同じで、今回はよりスリリングなフライバイだったと言える。2017年の発射のさらに前から、2024年の計画終了まで、計7回のフライバイを計算してきたのかと思うと、気が遠くなるようだ。

https://blogs.nasa.gov/parkersolarprobe/2021/10/19/parker-solar-probe-completes-its-fifth-venus-flyby/

李子柒終了

中国の片田舎で、伝統的な食品や工芸品を自作する美女。数千万アクセスを誇るブロガー「李子柒」シリーズは、このところ長らく更新がなかったが、9月に入って、YOUTUBEからいくつかの動画が消え、本編がおいてあった中国の動画配信サイト「微傅」では、アカウントごと消えていた。思えば昨年ころから更新が不規則になり、内容的にも鮮度が感じられない内容になってきていた。誰かに口出しされている感じがあったが、どうやら経営面で関わった企業との間でトラブルがあった模様だ。

「角を撓めて牛を殺す」(小さな欠点を無理に矯正しようとして、本体を損なってしまう)とは、他ならぬ中国のことわざだ。大人気ブロガーにいろいろな組織や資金が関わってくるのは当然だが、もうすこしうまくできなかったのかと思う。当サイトでもカテゴリー化してきたので、流行現象の栄枯盛衰が目の前で見られて興味深かったが、少々残念でもある。

個人ブログではよくこういう事がある。これがマスメディアだったら、まず大人同士の手打ちがあって、舞台裏で大変革が起こっていても表面的にはそしらぬ顔で継続されたり、目立たないように消滅させるが、個人の場合は突然消えたり更新がストップする。それが政治的な内容だったりすると、つい気がかりな想像をしてしまうこともある。なかなか生々しいが、そのへんも新しいメディアの醍醐味かもしれない。

本家の微傅ではアカウントごと消えたものの、YOUTUBEでは、なぜかほとんどの動画が残っている。これもいつまで持つかわからないが、幸か不幸か、パクリシリーズがよりどりみどりで、どれもなかなかの視聴数を稼いでいる。パクりとはいうものの、料理や工芸をやって見せなくてはならないので、内容はそれなりに悪くない。むしろ本家の初期の素朴な味わいが感じられるものもある。「偽 李子柒 」カテゴリーを作って紹介しようかと思うほどだ。

I Love Paris

コール・ポーター(1891 – 1964)の作曲。

歌と演奏はTatiana Eva-Marie & the Avalon Jazz Band。演奏スタイルはもちろん、ファッションやロケーションまで、1930年代ヨーロッパの、ジプシー・ジャズの雰囲気を再現している。歌手はいかにも美女風のメイクで愛嬌たっぷりに、バイオリンはうつろな目で淡々と。ジャズと言いながらアドリブが3分未満しかない、ごく短い曲だが、どの一瞬を切り取っても絵になっているのが楽しい。エンディングに「ラ・マルセイエーズ」を持ってくるベタな演出も、ここまで徹底した世界観づくりの中だとピタッと決まる。
よく見るあのマイクも大事な小道具だが、調べてみるとこれはSHUREというメーカーのもので、プレスリーなどのほか、ケネディやキング牧師の演説にも使われ、現在でも大統領就任式に登場するのだという。

古い曲を現代のアレンジで演奏するのもいいが、こんな風に古さをそのまま演奏するのも楽しい。どれもコンテンツとして流通しているのだから、流行にかかわらず好きな音楽を選べるのが、現代のよさだろう。その点我々世代の人間は、若い頃から流行の音楽を追いかけさせられ、追いつけなくなって諦めてしまった感がある。古き良き時代の音楽は、その醍醐味を知る古き良き人間がもっと楽しんでもいいと思う。

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