蕎麦好きには2タイプいる。1つ目はこだわり派。蕎麦は新蕎麦の挽きたて、打ち立てでなくてはと言い、つゆに否定的で塩や水で食べたりする人だ。そこまでいくと保健所か研究所の官能試験のようだ。もうひとつが大酒飲みならぬ「大蕎麦食い」。落語の蛇含草に登場するそば清さんのような人は昔からいたらしい。大盛り、大ざるしか注文したことがないというような人で、自分もそちらに近い。
で、本題だが、動画サイトに乾蕎麦の美味い茹で方がいくつかあった。ポイントは
・前もって水に漬けておく
・少量の油を入れて茹でる
・包装の目安の半分の時間で茹でてすぐ氷水で締める
というところだ。試してみると、水に漬けるとどうしても表面が溶け出して少々感じが悪いし、かなりもろくなり茹で湯に移すときに折れやすい。油を入れるのは理由がよくわからない。指定された半分の時間というのはあくまで目安で、自分の場合は芯が残った。などの不審点はあったが、氷水で締めた段階で表面のぬめりはとれ、乾麺ならではのざらつきはなくなり、口当たりが良くなったように思う。
機械乾燥で芯まで乾燥している乾蕎麦をそのまま柔らかくなるまで茹でると、表面が茹ですぎになってしまう。本来のポテンシャルが引き出せないので、先に水分を吸わせるということではないだろうか。
もちろんこだわり派が満足するようなものではないが、これは新しい美味の発見というより、とにかく蕎麦を食いたいそば清さんたちのための工夫だ。乾麺だからだめ、と言ってしまうとパスタやそうめんの立つ瀬がない。まだまだ旨く食べる工夫が足りないだけだと思う。せっかく(?)米の高騰で、米以外の主食に注目が集まってるのだから、乾麺メーカーの奮起に期待したい。