ウィキ・ラブ・フォークロア / LLM時代の生き残り戦略か

近年、ウィキペディアをはじめとする優良な情報源が、軒並みに寄付を呼びかけ始めた。サーバーコストその他の高騰は、大量の情報を無償提供してきた経営規模の小さな事業を直撃している。かつて検索エンジンは検索結果の一番上にウィキペディアをリストしていたが、今は真っ先にAIの回答が表示される。このせいでWIKIまで見に行かなくなった人も増えただろう。
AIに必須のLLM(大規模な文字のデータベース)の学習に、ウィキペディアの情報が大量に利用されたらしい。技術的には理解できないが、LLMは単純に文言を保存しているわけではないらしいので、権利面では単純なパクりとも言えないようだ。また短時間に情報収集したために、権利との関係が整理されなかったのかもしれない。それでウィキペディアは、庇を貸して母屋を盗られるようなことになったらしい。

そのウィキペディアでは、去年から「ウィキ・ラブ・フォークロア」を開催している。これは世界各地の地域に残る伝統行事や芸能、生活用具などの画像を募るもので、優秀者の表彰もあるという。観光案内に載るような有名なものだけでなく、地域の知られざる伝統行事なども含むらしい。個人ブログなどではこういう無名の行事の紹介はあるだろうが、AIの回答用としては信頼性が低い。掘り下げたレベルの地域情報を収集し、権威付けるウィキ・ラブ・フォークロアは、AIに対するイニシアティブを取り戻す戦略だと思う。知の殿堂らしいスマートな試みだ。

圧倒的な投資によって既存のネット世界を飲み込もうとするAIに対し、ユーザーの参加によって新たな知の原野を切り開こうとするウィキペディア。その生き残り戦略は、我々自身にとっても知の自主性を取り戻す試みとなるかもしれない。

タイトル画像の話 / 無題

AIを使えばそれなりの画像が簡単にできるが、作る面白さは半減してしまう。結局凝ったものではないが、自作のものに取り替えることにした。

技術的にはごく単純だが、すべてのカードのコメントはダミーではなく、画像に沿ったものを書いて貼ってある。
文字らしいものが書いてあるだけで良いなら、AIのほうが早いだろう。が、AIは画像の中の文字に弱いようで、今のところ意味として捉えられないようだ。なので動画などでは極力文字のない風景になりがちで、どうしても文字が出る部分は、他のツールを併用して仕上げているようだ。
本タイトルは、今後超高解像度画像が使えるようになったら、拡大すれば読める。小さいので読める訳では無いが、そういうちょっとした思い入れが仕上がりの差になると思いたい。ネット上のクリエイターたちも、AIにできないことや、一見してAIではないことがわかる表現を模索しているようだ。そこから生まれるものが真のトレンドだと思う。

広告ブロッカーvs.IT業者、抗争の歴史

「広告ブロッカー」は、ウェブサイト画面や動画から広告だけ表示させなくする、ブラウザ用プラグインだ。ネットに氾濫する広告は、見かけが雑然とするだけでなく表示速度の遅れやユーザーの情報収集、さらには不審なサイトへの誘導など、さまざまな弊害をがある。それに対する自衛ツールとして、利用者が増えてきた。
一方こブロッカーは広告費で成り立っているIT企業やサイト運営者の大敵で、技術的な対抗策を講じたり、広告の役割やサイト運営への理解を訴えるなどして対抗してきた。どちらにも相応の言い分があって結論が出ないまま、今も続いている大きな問題だ。今回は、ブロッカーのユーザーとブラウザなどIT業者との抗争の歴史を、ChatGPTにまとめてもらった。

広告は「スポンサー表示」にすぎず広告ブロッカーも存在しなかった90年代。WEBがビジネスになり、無料コンテンツの登場とPV至上主義に対する視聴者の違和感が生まれる00年代。「快適に読むためのツール」としての広告ブロッカーが誕生してからは、互いを出し抜く技術のいたちごっこが始まる。そしてブラウザそのものの中立性が失われ、ユーザー側に立って広告を見ない自由を提供するものと、ユーザーの閲覧環境改善の名のもとにブロッカーを排除するものとに別れていく。自分がネットに対して薄々感じていた違和感や騒がしさが、極めて熾烈な抗争の一端だったのだと知らされた。