パブリック・ドメイン

近年になって、ときどき音楽著作権に関する恐ろしい話を聞くようになった。例えば、長年細々と営業してきた、ジャズ喫茶や歌声喫茶、ダンス教室などに、ある日突然著作権協会が訪ねてきて、過去数年分の未払いの著作権料、数百万円を請求され、それが原因で店を畳むことになった。
学校などでの音楽には利用には著作権料が免除されているが、京大の入学式の祝辞で、ボブ・ディランの歌詞を引用し、それをHPにアップしたことを著作権侵害と言ってきた。また、音楽教室へも請求され、ヤマハなどが集団で訴訟を起こしている。

前々からそういう話を聞いていたので、バイオリンの練習にはなるべく古い名曲を選んできた。今さら人前で演奏する機会などないとは思うものの、そこはそれ、万一の場合を夢見て安全策をとったつもりだったが、甘かった。作者の死後50年間保護されるのだ。けっこう練習してきたテネシー・ワルツは、民謡だろうとタカをくくっていたら、作曲者のピィー・ウィー・キングは、86歳まで生きて2003年に亡くなっていた。なんと私は99歳まで長生きしないと、おおっぴらに弾けないのである。こんなのにあこがれていたんだが。

そこで、せっかく練習するのならと、著作権切れ(パブリック・ドメイン)の曲で有名な名曲や好きな曲をパブリック・ドメイン名曲集と銘打ってリストアップすることにした。また、パブリック・ドメインではないが、1年後、2年後というように目前に迫っている曲は、これから練習するのにうってつけなので、それも調べていこうと思う。少しずつ増やしていくつもりなので、お役に立てれば幸いである。

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劇場型ご臨終

友人から、癌になって入院中という電話があった。これから検査という、ベッドの上からの連絡だ。今までこういうことは、家族などから人伝えに聞いて知るのが普通だったが、携帯のおかげで病院で本人が直接連絡できるようになった。が、受けた方としては、驚きが生々しくて、一瞬何と答えてよいかわからなくなる。
結局友人の癌は良性で、すぐ退院した。病室からの人騒がせな電話は、要するにヒマだったかららしい。とんだ劇場型闘病生活である。

先日、病床からTWITTERを更新し続けていたタレントが、ついになくなった。全く気の毒というほかないが、どうかこれをマネる人間が出てこないでもらいたいものだと思う。夭折した美女だからサマになるのであって、ジジババの末期のあがきなど、見ても後味が悪いだけだ。また、病床で何か口走るだけなら、周りの者が聞かなかったことにもできるが、感極まって、墓場まで持っていってもらわなければならないようなことを公開されでもしたら、場合によっては大事になる。

メディアは盛んに持ち上げているが、死者に対して多分に冒涜的なのだから、ブーム作りみたいなことはやめて欲しい。

ビオラ

ビオラの調子が良くなってきた。当初は大きい分扱いにくく、音色もややこもったようで冴えなかったが、最近は大きくて堂々とした音が出るようになってきた。バイオリンのほうは8千円の激安で、多分素材は合板のプレスだが、ビオラは中国製のお買い得品とは言え、単板からの削り出しである。ここに来てその真価が現れてきたような気がする。
一方のバイオリンは、はじめからハーモニカに近い濁った音なのは承知の上だったが、最近は足踏みオルガンのような音になっている。カントリーなどなら味があるが、きれいな曲には似合わない音だ。買って3年弱だが、このへんが限界なのかもしれない。

聞きかじりだが、木をつかった楽器の場合、安価な合板製は買ったときがピークで、だんだん音が悪くなるが、無垢材を使ったものは当初は音が出にくいが、正しい音程を出し続けていると徐々に音質が良くなる。そして名器と呼ばれるものは、そのピークが100年以上続くのだという。
バイオリン類ではないが、邦楽の鼓は新品は音が出ないので、稽古場に置いておいて、音が出るようになるまで弟子に順番に叩かせるのだそうだ。

以前から、ジャズやポピュラーにはバイオリンよりビオラの音域のほうが合うような気がしていたが、最近そういう動画が少しずつ増えてきたのが楽しみだ。