パスワード大量漏洩その後

先日、某国際送金サービスを利用したら、パスワード変更とやたら面倒な個人認証をさせられた。CAPCHAの設問も英語なのでいまいち意味が良くわからず、何度も間違って時間をつぶさせられた。が、これは例のKADOKAWAその他のパスワード大量漏洩への対応かもしれないと思った。

被害はニコニコ動画などのホットなサイトが中心なので、ネット上ではいまだに大きな話題になっている。中には、「ニコニコと同じメールアドレスをIDにしているところは、すべてパスワードを取り替えた」という人もいた。これはなかなか大仕事で、利用中のすべてのサイトのIDを間違いなく取り替えられるかどうか、正直自身がない。かつて利用していたことを忘れてそのままのものもある。そのアカウントでどんな悪事ができるか。

が、登録したサイトで上記のような対応ができていたなら、事件から時間が経ってからでも私であれ不届き者であれ、最初にログインしようとした時に、厳しい個人認証を求められる。パスできるのは当然自分だけだ。近年、海外のサーバーやサイトで、ちょくちょくパスワード変更を求められるようになり正直うっとうしかったのだが、あれも何か懸念材料があったのかもしれない。だとすればこういう対応は面倒だが安心だ。IT事件は何も自社が原因でだけ起こるのではなく、他社のとばっちりを受けることもあるが、それでも顧客らなくてはならない。企業のIT化の実力は、非常時の顧客への対応に現れるのかもしれない。

CAPCHAは、なんでこれがだめなの?ということがしょっちゅうある。安全といえば安全だが。

Blue Giant

一流ジャズプレイヤーをめざす青年を描くアニメ作品。非常に評判がよかったので気になっていたものを視聴した。若者の信念や努力で夢を叶えてゆく、気持ちの良いサクセスストーリーだ。我々高齢者としては叶えられなかった夢や、忘れてきてしまった魂を見せつけられるようでもある。
独学からスタートし、しゃにむに練習を続ける主人公、子供時代から音楽を学んだ理論派のピアニスト、突然ジャズに魅入られ、後先考えずに飛び込んでしまう出遅れぎみのドラマー。ジャズマンを目指す人のありがちなパターンを丁寧に描いてゆく。
テナーサックスだけを抱えて上京し、友人宅に転がり込む。練習に打ち込み過ぎて留年してしまう。先輩プレイヤーに挑戦するかのようなセリフを吐く。主人公たちのやることは若気の至りそのものだが、彼らを見守る大人たちも優しい。才能と練習量だけが求められる世界へ飛び込む厳しさを、誰よりも知っているからに違いない。
ある知人は、その昔突然ジャズに目覚め、連日猛練習を続けた挙げ句に、山下洋輔のコンサートに乱入してサックスを吹きまくった。今なら補導されるところだが、そのままそれなりに吹かせてもらったらしい。そういう大人がいて、無謀さも伝説となって仲間の尊敬を集める。そんなちょっと危なくて懐かしい時代の空気が、画面から伝わってくる。

ストーリーは王道だが、ジャズを全面に出すだけあって、演奏シーンが圧巻である。短めではあるがまるごと1曲分、音楽そのものをビジュアル化したのだから、大変な作業である。登場人物の回想シーンや自分語りも少なく、演奏シーンですべてを表現しようという気概が伝わる。ストイックで緻密な日本のジャズらしさが満ち溢れる作品だ。

空調服

数年前から、道路工事などの風景が変わった。真冬並みにモコモコに着込んだように見える人が目立つようになった。空調服である。初めて知ったときは、申し訳ないけれどジョークグッズのように感じたが、今では常識化している。そうなると不思議なもので、最初は暑苦しく見えたものが、涼しげでうらやましく思えてくる。価格的にもずいぶん手頃になり、いかに大量に普及しているかがわかる。さらに現場作業者以外でも、通勤、通学、ショッピングなど、夏のあらゆるシーンでできれば着たほうがいい服とみなされるかもしれない。そうなると、もはや空調服もアパレルの世界だ。

空調服はユニクロなどに押されて来た業界にとって、久方ぶりの追い風になるかもしれない。
「着こなし上手の空調服」「お呼ばれ、ハレの日の空調服」「すこやかベビー空調服」「冬こそ!空調服」「いま欲しい、エアロビューティな一着!」
そんな見出しであふれたファッション誌が目に浮かぶようだ。