
街なかにクリスマスの飾りつけが登場すると、年末らしさを感じる。私の世代にとっても子供時代からある行事だし、年越しや正月よりもシーズンが長いので、もしかしたら一年で一番季節感を感じる行事かもしれない。
さて今回は、氷でできた文字のカット面に、クリスマスの飾りつけが映り込むという効果を狙った。言葉にすると申し分ないが、CGで氷のように透過や反射する物質を表現するのはなかなか難しい。上手い人なら、一枚のカットの中で、グラスと氷とウォッカの微妙な透明さや反射具合を表現し分けたりできるのだが、ズルをした。全く透過しない物質の表面に、飾りつけの画像を貼り付け、ところどころお絵かきソフトでハイライトを書き込んで仕上げたのである。もしズルをしなければ、透過率や反射率、照明の設置箇所や強さをちょっと変えては試しに書き出してみる作業を繰り返すことになる。
背景は白一色の雪景色だが、最近は北海道でもクリスマスが雪景色にならないこともある。昔なら背景のような風景は、わざわざ雪原まで行かなくても、ご近所でもいくらでも見られた。真っ白で何も見えないので、ビルが建ってようと雪原だろうと変わらなかった。
最近は見かけないとはいえ、心の奥底には残っているのでいつでも思い出すことができる。いわば原風景なのだが、決して懐かしいわけではない。その時の寒さが体に染み込んでいるのか、作りながらなんとなく肌寒い気がしてきて、思わず暖房を上げたくなった。
