Are You Lonesome Tonight?

曲は聞き知っていたが、タイトルを知らなかった作品。Roy Turk(1892-1934)とLou Handman(1894-1956)が作曲した。古い曲で、どのプレイヤーで有名なのかも分からないが、古臭さは感じない。ホテルのロビーや喫茶店でかかっていても違和感がないだろう。

その昔誰かから、音楽は音符の組み合わせだから、そのうち出尽くしてしまうという話を聞いたことがある。確かに今後、この曲のようにシンプルで美しく、聞きやすく、覚えやすく、歌いやすくて演奏しやすい、というような曲は出てこないかもしれない。また、この曲は期限が切れているが、今、私が作曲したと言って登録しても通用しないだろう。そのへんの考え方がよくわからない。
心のままに作曲すると、過去のどれかの曲になってしまうので、どこか少しずつ変えなくてはならず、そのせいで収まりが悪く煮えきらないような曲が氾濫してしまう。作曲してもそれを発表するには、過去の膨大な作品データベースを検索してチェックする技術や時間が必要になる。そんな時代が来ているのかもしれない。

今回は、今まで紹介する機会のなかったフランク・シナトラの歌で。

Love Me Tender

George  R.Plouton(1828-1867)作曲の古いアメリカ民謡に、エルヴィス・プレスリーが歌詞をつけて大ヒット。ポピュラーミュージックの定番になった。動画は敬意を表してプレスリーのライブを選んでみた。あまり聞いてなかった人だったので、こんなに深い声だったんだなと改めて思う。(とはいえ、他のことに忙しくて、ほとんど歌ってないんだけど)ともあれスターというのはすごいものだなと、つくづく感心する。

大きな古時計

アメリカの作曲家、ヘンリー・クレイ・ワーク(Henry Clay Work, 1832-1884)の作品。もっぱら童謡、唱歌の扱いで、youtubeでも子どものピアノの練習風景などの動画が多いが、数年前平井堅が歌ってヒットしたこともある。
こういう音楽をカントリー・ウェスタンというのか、ブルーグラスというのかわからない。最近聴く機会がなかったが、イヤ味のない良い音楽だと思う。


「おじいさんの時計=グランドファーザクロック」という時計がある。2メートル前後の縦長で、上に文字盤があり、その下の箱には、約1メートルの振り子がゆれている。たいてい風格のある彫刻が施されていて、お金持ちの調度品という感じだが、もともとはロングケース・クロック、トール・クロック、フロア・クロックと言った。当時はもっとも正確な時計として、学校や役所などの公共の場にも置かれていた。この曲が流行ってから、おじいさんの時計と呼ばれるようになったという。

Stella by Starlight

邦題は「星影のステラ」。ヴィクター・ヤング(1899-1956)の曲で、実に多くのプレイヤーが演奏している。動画も豊富で、目移りがしそうだったが、ジョージ・ベンソンのギターとマッコイ・タイナーのトリオでの演奏を選んでみた。
マッコイ・タイナーは有名なコルトレーン・カルテットのメンバー。パブリック・ドメインの紹介ではあまり登場機会がないんじゃないかと思って選んだ。多くの音を鍵盤に叩きつけるような独特の奏法は、あまり調律されていないクラブのピアノを弾くことが多かったので、音の狂いを押し切るようなスタイルになったのだという。
ジョージ・ベンソンは、マスカレードのヒットでグラミー賞をとるなど、ポップスのプレイヤーという印象が強いが、こうして聞くと実にいい感じのジャズ・ギタリストだ。

ところで、youtubeでは、この曲のギター演奏の教則動画が多かった。ちょっとギタリストがうらやましいと思った。

So In Love,I Concentrate on You,Anything Goes

コール・ポーター(1891~1964)の作品を一挙に3本収録した動画。昔の人だが、さまざまなジャズ。プレイヤーに取り上げられてきているので、どの曲もなじみ深い。ここに紹介した以外にも今でもよく演奏される作品がたくさんある。パブリック・ドメインの神様みたいな作曲家である。

ジャズバイオリンの草分けにして頂点=ステファン・グラッペリと、ヨーヨーマのチェロという、豪華顔合わせも魅力だ。