Rhapsody in Blue

George Gershwin (1898 – 1937)の代表作とも言える名作。今回はデューク・エリントンバンドの演奏で。

サマータイムなど、ジャズの名曲も多いガーシュインだが、最も有名なこの曲はクラシックのオーケストラによる演奏が多い。そのせいで個人的にクラシック曲に分類して敬して遠ざけてきたのだが、さすがはエリントン、見事なジャズ化である。綿密に作り上げられた原曲のスコアを大胆にリハーモナイズしたことで、かえってガーシュインの黒人音楽への思い入れがくっきりと現れた感じがする。個人的には、交響曲としてよりこのアレンジのほうが好きだ。

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Blues For Alice

Charlie Parker(1920-1955)の曲。演奏はChad LB。チャーリー・パーカーとはいえ、私にはちょっと馴染みがなかった曲だったが、今回ぜひ取り上げたいt思った理由は、アップライト・ピアノの音が好きだから。大抵の音楽動画はホールやスタジオなのでグランド・ピアノがほとんどだが、私はアップライトの、余韻が短くうねりもない、パキパキと乾燥したような音が好きだ。特にこの曲のような軽快なジャズには、グランドよりいいのではないかと思う。
ところで、タイトルにはブルースとあるが、あまりブルースらしく聞こえなかった。複雑なコードを使ってる上に、メジャーのブルースだからだと思う。マイナーだといかにもブルースらしいコード進行が感じられるが、メジャーだとブルージーな雰囲気が少ない。多分、メジャーブルースのほうが、演奏は難しいような気がする。

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Can’t Get Out Of This Mood

Frank Loesser'(1910-1969), Jimmy McHugh(1984-1969)の作品。知らない曲なのだが、いかにもモダンジャズという演奏ぶりに、懐かしささえ感じる。歌は、前回も登場したSAMARA JOY。

歌手がアドリブも歌う。スキャットだったり、歌詞があったりスタイルの違いはあるが、いずれもエラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンが切り開いたスタイルで、原曲が発表された頃にはなかったやりかただ。聞き手にとっては歌手の魅力をいろいろな角度から味わえるが、歌う方には相応の技術が求められる。やはり若い人が軽々とこなしているのを聞くと驚きを感じる。

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