あけましておめでとうございます / A列車でいこう

本年もよろしくお願いします。

2025年1月1日より、デューク・エリントンの曲がパブリック・ドメインとなる。「パブリック・ドメイン名曲集」は本サイトの一番人気カテゴリーにも関わらず、最近はさっぱり新しいものを紹介できなかっただけに、この日が待ち遠しかった。うれしい限りである。

さて、名曲中の名曲だけあって、演奏動画も多い。プレイヤーもビッグネームがよりどりみどりである。が、ここは新年らしくハートウォーミング&ご長寿バンザイな、この動画を紹介しよう。

※正直言うと、1月1日からなのか、エリントンの誕生日からなのかはっきりわからないのだが。

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Scrapple from the Apple

Charlie Parker(1920-1955)の曲。思わず「ああ、ジャズ喫茶」と言いたくなるようなおなじみの名曲だ。演奏はChad.LB。現代のプレイヤーのいいところは、黄金時代の様々な名プレイヤーのスタイルを当然のように身に着けていて、次々繰り出して見せるところ。この曲もジャズファン、ジャズメンのDNAに書き込まれているような曲だから、演奏中も全員リラックスして笑顔が絶えない。特にピアノは初っ端からガンガン飛ばしてくる。

ところがいざサックスのソロになると、なんだか歯切れがよくない。ピアノの大暴れの後で座を鎮めようとしたのかとも思ったが、当人もちょっと首をひねりはじめる。本当ならベースだけをバックに、「何かが降りてきて」わがままプレイが爆発するところだが。
そこへ見かねたようにピアノのバッキングが入って、尻を蹴っ飛ばす。で、蘇ったChadが、前半の不調を吹き飛ばすプレイをたっぷりと聞かせてくれた。

なーんて、聞いたわけじゃないので勝手な感想だが、これもジャズファンの楽しみのひとつである。

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I Got Rhythm

ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)の曲。さまざまなプレイヤーが演奏している名曲だが、これは本人のピアノでしかも2つのステージを記録したものだ。

ガーシュウィンといえばクラシック作曲家でミュージカルの曲を作曲し、その後のジャズ、アメリカ音楽そのものの基礎を作った人物だ。演奏はラグタイムやスウィングなど、初期のジャズのスタイルがふんだんに取り入れられていて、軽快で自由奔放闊達だが、2つの動画を比べると編曲がほぼ同じで、ドラムなどは加わらない。ジャズがどんなふうに出来上がってきたのか、教えてくれるような貴重な動画だ。

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