初心者にとって,確かにバイオリンは難しいところがある.だが,実際に触ってみると,案外とっつきやすいところもある.例えば,とっつきやすいと思われているギターとくらべてみた.

赤丸がバイオリン,黒丸がギターのチューニグを表しているが,赤丸の間隔は広くて均等で,黒丸は間隔に均等ではないところがある.バイオリンの場合は,弦が規則的に配置されているせいで,押さえる場所の見当をつけやすく,ポジションを覚えやすいように思う.そもそもバイオリンのネックはかなり短い.そのくせ弦と弦の間にたくさん音があり,しかも規則的なので,一回握った場所からあまり左手の位置を動かさず,指先だけちょこちょこっとやるだけで,かなりカバーできてしまう.また基本的には単音だけ出せばいい楽器なので,ギターのように何本もの弦にわたって,指の股が裂けそうなコードを押さえなくてもいい.
一番大きなギターとの違いは,フレットの有無だ.フレットがあれば多少指の運びが適当でも正確な音程が出るが,バイオリンにはないので,正確な音程を出せるようになるまでが大変.実際に触るまで私もそう思っていた.しかし,フレットがないおかげで,間違った場所を押さえたと思ったら,すぐ指をずらせばごまかしが効く感じなのだ.そして弾く曲がアメリカ民謡だったりすると,間違ったのではなく,最初から狙って粘っこい装飾音を入れたように聞こえることさえあるのだ.いわばまぐれだが,テンポさえはずさなければ,それがしょっちゅう起こる.これが実に楽しい.
そういうことしてると,いつまでもうまくならないのかも知れないが.


