エンターテイナー

著作権期限が切れた名曲を紹介する「パブリック・ドメイン名曲集」。第一回目に紹介するのはスコット・ジョプリン(1868-1917)のエンターテイナー(1902)である。実に115年前の曲で、こうまでしないとパブリック・ドメインが見つからないのかと少々ゲンナリする。が、映画「スティング」のテーマやJリーグのチャント(応援歌)になっているせいか、そこまで古さを感じない。

いかにも古き良き時代の、酒場やダンスホールの音楽である。伴奏に音をたくさん出すのは、ピアノしかない酒場でも、多少の調律狂いを気にせずにゴマかしが効くからだろう。ラグダイム・ピアノはジャズの前身ともいうべき音楽で、自由奔放な雰囲気ではあるが、全部譜面通りで、即興で弾いてるわけではないらしい。

ちなみに、パブリックドメインの曲だけを調べる方法はあるのだが、作曲者の死後50年保護されるので、知らない曲が多い。また、レコードなどに演奏が残っていても、さすがに編曲が古くて愛着がわかない。十分古い曲だがいろいろな人に演奏され続けて、お手本になるモダンな演奏がある、というようなのが理想だが、これが案外少ないのだ。

作品一覧へはこちらから

パブリック・ドメイン

近年になって、ときどき音楽著作権に関する恐ろしい話を聞くようになった。例えば、長年細々と営業してきた、ジャズ喫茶や歌声喫茶、ダンス教室などに、ある日突然著作権協会が訪ねてきて、過去数年分の未払いの著作権料、数百万円を請求され、それが原因で店を畳むことになった。
学校などでの音楽には利用には著作権料が免除されているが、京大の入学式の祝辞で、ボブ・ディランの歌詞を引用し、それをHPにアップしたことを著作権侵害と言ってきた。また、音楽教室へも請求され、ヤマハなどが集団で訴訟を起こしている。

前々からそういう話を聞いていたので、バイオリンの練習にはなるべく古い名曲を選んできた。今さら人前で演奏する機会などないとは思うものの、そこはそれ、万一の場合を夢見て安全策をとったつもりだったが、甘かった。作者の死後50年間保護されるのだ。けっこう練習してきたテネシー・ワルツは、民謡だろうとタカをくくっていたら、作曲者のピィー・ウィー・キングは、86歳まで生きて2003年に亡くなっていた。なんと私は99歳まで長生きしないと、おおっぴらに弾けないのである。こんなのにあこがれていたんだが。

そこで、せっかく練習するのならと、著作権切れ(パブリック・ドメイン)の曲で有名な名曲や好きな曲をパブリック・ドメイン名曲集と銘打ってリストアップすることにした。また、パブリック・ドメインではないが、1年後、2年後というように目前に迫っている曲は、これから練習するのにうってつけなので、それも調べていこうと思う。少しずつ増やしていくつもりなので、お役に立てれば幸いである。

作品一覧へはこちらから