バレンタインデーにちなんで、このブログの読者は多分見てないと思うが、気にはなっているであろう「君の名は。」を見た。広告関係者として一見の価値ありなので、レンタルに降りてきたらと思っていた。が、大変なヒットになってしまい、いつになるかわからなかったので。「結婚したくなる映画」というレビュー記事があったことも気になっていた。はたして何か新しいトレンドが生まれたかどうか。
新海作品の特色は、背景画像の美しさだ。それも、駅のホームや雑居ビルの立ち並ぶ街角、ごく普通の住宅地の家並みなど、本来それほど美しくはないはずの光景に、丹念に光の装飾加えて、夢のような光景に仕上げる。
恋人ができたり、入試に合格したり、大金が手に入ったりというような、人生の幸福の絶頂には、アドレナリンが湧き出し瞳孔が開いて、いつもの風景もこんな風に見える。その瞬間を再現してみせたような背景である。日常生活に直結している分だけ、世界自然遺産やマハラジャの宮殿よりずっと良い舞台装置だ。その中でなら、どんな商品もさぞ魅力的に見えるだろう。
わざわざ見に行く気のない人のためにざっくりいうと、同じ監督による以下のCMがこの映画のエッセンスだと思っても良いだろう。
親の経済力の差が子供の学歴の差になると言われている時代に、通信教育だけで、離島の少女と都会のアルバイト少年が東大に合格するばかりか、恋人までできてしまう。普通はそんなCMを流せば噴飯モノだが、新海ワールドの中なら、それもアリかなという気になってしまう。聞き取りやすい日本語の曲が前面に出るという、PVやCM的な手法も、映画と同じだ。
我々世代向きの作品ではないのでオススメというほどではないが、映像のヒーリング効果はなかなかのものである。ネタばれせずに書けるのはこんなところなので、そのうち内容について書くかもしれない。


