銭湯や公衆浴場でおなじみの表示だが、海外の観光客がとまどうことのひとつだそうだ。タトゥーは個人の自由だし、犯罪者扱いされるようなことではないはずだということらしい。言うまでもなく日本では暴力団員の象徴で、かつては島送りの前科者の証でもあった。
一方で、日本の刺青は世界最高峰の高い芸術性があり、江戸時代の火消しは競ってシャツのような刺青を入れて、火事場で諸肌脱ぎで大見得を切っていた。島帰りの入れ墨だって、人に見られないように隠すもので、風呂屋でひけらかして大暴れするものじゃなかっただろう。自分では決してやらないが、もともとは風呂屋にも入れないほどのことではなかったような気がする。
見て分かる通り、この動画の登場人物は腕に入れ墨をしている。ひげとも相まって不潔感さえ感じられ、日本の料理番組ではありえない起用だ。だが、配信サイトでは他にもタトゥーの持ち主が動画をアップしていて、特に大工や鍛冶屋などが多く、いたって真面目な仕事ぶりを紹介している。それも多くが腕にタトゥーを入れてるところから、自慢の商売道具である腕を飾り立てているのではないかと気がついた。海外の職人さんが来日して、誇りであるタトゥーのせいで、ヤクザあつかいされれば、確かに寂しい思いをするだろう
もともと世界屈指の派手な入れ墨文化のあった日本が、公共の場から締め出したかったのは、入れ墨ではなく暴力団や暴力行為のはずだ。それを入れ墨に罪を着せてしまったところに、海外とのちょっとした行き違いが生まれたのだろう。国際化時代ならではの問題だ。いっそ解禁してしまって、欧米のごつい職人さんたちが出入りするようになれば、唐獅子のお兄いさんも無茶はしなくなるような気もする。
