高レベル核廃棄物の保存期間は、短縮できるとか

先日、原発から出る高レベル核廃棄物の保管期間の短縮技術の記事を読んだ。高レベル核廃棄物は危険な放射線を放出し、半減期が何万年と言う物質も含んでいる。現代人が責任をもって管理しきれないほどの時間、地層に埋めるだけでは負の遺産と言われても仕方がない。それも他ならぬ我々世代が恩恵を享受しながら、未来の世代につけまわしをしているようで気にかかっていた点だったが。

記事によれば、高レベルの核廃棄物に中性子を当てることで人為的に崩壊を早める技術のようだ。それでも無害化までに数百年かかると言われているが、数万年と数百年では意味が全く違う。数百年であれば、個人の寿命よりずっと長いことには変わりないが、事業として十分管理し続け達成できる期間だ。

例えばバルセロナのサグラダ・ファミリア聖堂の建築は3世紀に渡ることで有名だが、ドイツのケルン大聖堂(工期630年)、イタリアのミラノ大聖堂(579年)など、100年単位で建てられたものは少なくない。建物以外の事業としては、日本には千年以上続く企業が7社もある。人間にとって100年単位というのは、目的を定めてコントロールし続けることが可能な期間といえる。これなら未来の人類に申し送りしても、まあ勘弁して貰えそうだ。電気によって築き上げてきたものも同時に引き渡すのだから。ともあれ、人類が後先考えずに利益だけを貪り、臭いものにフタで済ますほど愚かではないと知って、ちょっと安心した。

タイトル画像の話 /

技術的には実に単純だが、ところどころ折れた平面に実際の光があたった影のつき具合などは、3DCGの得意技だ。また、最近は何かと生成AIと引き比べるのだが、AIは文字に弱いような気がする。風景の中の看板など、画面の一部になった文字が化けていることが多いのは、文字の形態と意味の関係がよくわかっていないからではないだろうか。例えば歓楽街の絵を描かせると、サンプルの多い「BAR」という酒場の看板の文字は間違えないが、そのままBARをPOLICEに変えてくれと言っても、ありえない光景なのでうまくいかない、というように。

昭和のバブル期は、意外なようだが「シンプル・イズ・ベスト」の時代でもあった。豪華で高級なものが増えた反動のように、装飾性を削り取ったデザインがどことなく知的で新鮮に見えたのかもしれない。なので自分のような年寄は、こういうシンプルな絵柄をみるとなんとなく懐かしさを覚えてホッとする。シンプルという触れ込みの、手抜きデザインも多かったが。
近年はさまざまなデザイン分野で、装飾性が戻ってきた。装飾の多いものは単純に作るのが大変なのだが、多分デザイン・アプリや加工機械のIT化に後押しされているのだろう。

日本の物流システムと不沈空母

その昔、物流業が使っている商品と車両の追跡システムを、自衛隊のロジスティクスに応用するシステムを考えたことがある。考えた、と言っても空想しただけだが。これは、平時から物流システム上で、実際の配送車両の他に自衛隊の運搬車両や特殊車両の仮想データを動かし、現実社会の道路の混み具合やコンディションなどに基づいた、データ上の演習を24時間し続けるというものだ。

さらに有事の際は最短区間の高速道路を最短時間通行止めにし、F35やオスプレイと、弾薬や燃料、交代パイロットなどがジャスト・イン・タイムで集合してすぐ解散させる。航空基地そのものを細分化して常時移動させ、相手の攻撃目標として固定させないということだ。以前から航空基地は滑走路に穴をあけられただけで飛行機が飛べなくなるのは不合理だと思っていたので、結構お気に入りのアイデアである。

だが、周囲には高齢者が多いので、この話をすると大顰蹙をかってしまう。そもそも防衛の話をすること自体が不謹慎と言わんばかりだ。かつて言われた「不沈空母」が良い意味で現実になると思うのだが、火に油を注ぐので言えない。単なる思考実験で、戦争映画を楽しむのと変わらないと思うのだが。

そんな中、ウクライナで「蜘蛛の巣作戦」が大成果をあげた。トレーラーに積んだ多数のドローンを目標近くで放出するというものだ。不沈空母システムを使えば、相手が仮に日本に上陸できても、そこらじゅうを走ってるトレーラーから、いつドローンが飛び出し来るかわからない。それ以上の侵攻は難しくなるだろう。そして、トレーラーをどうタイミングよく移動させられるかは、まさに物流システムのお家芸だ。しかもこれはAIのなかった時代に考えたことなので、いまならもっと効果的なシステムが作れるだろう。