今朝も揺られてます(マンガ)

増田英二作、別冊少年チャンピオン連載中。バレンタイン・デー直前にふさわしく、ボーイミーツガールなコメディ作品の紹介を。
主人公は通学電車内でお互いに気になっているが、声もかけられないでいる高校生男女。そのことは一緒に乗り込む大人の乗客たちには見え見えで、特に中年男性の「部長」、「OL」、「大学生」の3人は、ういういしくも甘酸っぱい二人を守るのが毎日の「癒やし」だ。密かにアドレスを交換し、素知らぬ顔で二人のちょっとした仕草に反応してチャットで書き込み合う。それどころか仕事後に集まって、「今朝の二人」を肴に一杯飲んだりする。お気に入りの青春ドラマのファンのオフ会さながらだ。

当の二人は、勇気を振り絞ったわかりにくく遠回しなアプローチは次々失敗。乗客たちをチャットで身悶えさせる。さらに思いがけない邪魔が入ったり、それが時の氏神に変わったりと、エピソードづくりが抜群にうまい。普通の人々と、実在しても不思議ではないシチュエーションを使いこなし、読者を揺さぶりながら、癒やしの通学電車に乗せてしまう。奇矯な人物のキャラクターに頼りがちなコメディやマンガにはなかなかない練れたシナリオで、特に悪役や敵役がいない、善意の人だけでスリリングな展開を。

デートの約束取り付けに苦労し、待ち合わせ場所や時間が行き違ったりしていた世代からすれば、夜中でも連絡を取り合える環境で、なぜ不婚や少子化になるのか不思議に思うことがあった。が、多感な世代にとっては、アドレス交換にも告白に等しい勇気が必要だ。新しい技術の登場が、それまでのドラマづくりを変えてしまったとしても、人間が使っている限り新しいドラマが生み出されるのだと感じた。

病気にならない薬

日経BOOKプラスの「東大のスター教授たちは今、どんな最新技術に注目しているのか」という記事で、新藏礼子氏が病気にかからないようにするのが医学の目的だが、病気にならない薬は保健対象外だと言っていた。具体的には、腸内細菌のバランスは様々な病気の原因になるため、「バランスが狂っていること」自体を病気と認め、健保の対象にしてほしいという。

医師は患者の寿命が分かっているんだろうと感じることがあった。数ヶ月という短期間ではなく、検査数値に出てこないが、患者の体質や生活習慣などを見て、今後何年か後に発症、悪化が予測できているのではないかと思ったのだ。不吉な話だが我々も仕事上で、例えばあの会社は長く続かないだろうとか、この商品は売れないだろうということがわかる場合がある。分かっていても言えないことが多いが、医者も同じで、検査で根拠を示せないので言えないだけのような気がする。医者は検査で何かを発見しているのではなく、将来の病気の傾向が読めるのでその確認の検査をしている。

なので医師のアドバイスは、自分で考えだした「健康ポリシー」などよりよほど貴重だ。それはダイエットや禁煙の勧めのようにありふれたことだったり、ストレス解消のように、ではどうしたらいいんだという事かもしれないが、それが投薬より有効だから言ってるのだと思えば、重く聞かなければならない。

「病気にならない薬」は医師のアドバイスを補完するだけでなく、医療費の負担減も可能にするかも知れない。また、保険制度その他で医師が手を出せないために、消費者が民間療法や健康食品で手探りしている部分に、正しい医学の恩恵をもたらしてくれるかもしれない。

タイトル画像の話 / 公園遊具

今回のテーマは公園の遊具。

以前、海外からトレーラハウスのオーダーメイドを受けていた人を、CG制作でサポートしていた。向こうの人は派手好きで、シンプルでシックなデザインは評判が悪い。そこでトレーラーに公園遊具を乗せたイベント用の移動遊園地を提案した。が、私は何しろ子供の時「ご活発」だったので、遊具を造形しながら、ここはよじ登ってしまうとかここに潜り込んで挟まるとか、ご活発な子がやらかしそうな行動がすぐ頭に浮かぶ。自分で作りながらこの形のまま通りませんようにと願っていたものだ。
ちなみに宙返りチューブ滑り台は本作の目玉アイデアで、もちろん中で宙返りするわけではなく、普通にまっすぐのパイプに半ドーナツ部をとりつけたもの。外から見ると、宙返りした子が滑り出て来たように見えて、親も子もびっくりというしかけだ。

フレーバーテキストは良い子にむけた注意書き看板。英語はChatGPTにサポートしてもらった。なかなかブラックで気に入っているが、これが現実に必要という国もあるだろう。

ようこそ、ちいさな友だち

ここでは「ハッピーになる薬」は使いません。
あれは幸せを作るのではなく、前借りするだけだから。

ここに銃は持ち込みません。
問題を解決するのではなく、物語を終わらせるから。

この公園は成長するための場所。
早く消えてしまうための場所ではありません