Emotet被害増加中

EmotetというPCウィルスの被害が激増している。(※1)差出人名や件名に金融機関、信販会社、通販サイトなど、馴染みのある企業名を使ったり、感染後はアドレス帳にある名前を騙ってウィルスメールをばらまくらしい。先日は「5年ぶりですね、元気でしたか」という、たちの悪い件名のが来た。

技術的にはメール添付されたZIPファイル等を開くことで感染する、やや古い感じのウィルスで、添付ファイルに触らなければ感染しないが、件名の付け方のいやらしさを考えると、果たしてこれだけで済むのかなと思う。例えば、添付ファイルを開かなければ大丈夫と思わせて油断した頃、メールを見ただけで感染するのをばらまくとか、感染メッセージが出たのであわててネット上から対策を書いたサイトを探すと、そここそがさらにひどい感染の本丸だったとか、二段構え、三段構えでないとは言えない。
私は、自分の考えついたことは、検索すればそれより先に思いついていた人が必ずいる。現代はそういう時代だと思っている。だから二段構え攻撃は必ず起こると思っている。何でも疑いながら暮らしたくはないが、昔から「信じるものは救われるが、信じないものは騙されない(※2)」ともいう。

※1 念のため、Emotetチェックツールに関する情報はこちら。https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/22/news176.html
※2誰が言ったかというと、もちろん自分である。

不思議な憲法9条改正論議

ウクライナ情勢を目の当たりにして、日本国内でも安全保障に関するいろいろな意見が聞こえるようになってきた。当然である。あれを見て、自分ならどうするか、考えないほうがおかしい。で、当然のように憲法9条の改正が論議を呼んでいる。論議しているのは主に我々のような高齢者だが、同じ高齢者の自分から見て、どちらの言い分も、昔から何度聞いても、なんとなく妙なのだ。まるで、憲法の文言を変えると国の有り様まで変わってしまうとでも言うような...。

では、実際に他国の軍隊が押し寄せてきたらどうするか。答えはその時考える、その場その場で対応するしかないだろう。その時に憲法を読んでから何かをするわけではないし、みんなが揃って同じことをしなければならないわけでもない。日本は自由主義の民主国家だから、たとえ戦争下であっても、言論や行動の自由はある。実際ウクライナ国民も、あるものはジャベリンで戦ったが、別の者は負傷したロシア兵を病院に運んだり、食事を与えたりしていた。いざというとき敵と戦えるか、さらに敵にさえ手を差し伸べられるか。国民一人ひとりにとっては、文言の問題ではなく、勇気や覚悟の問題なのではないかと思う。

憲法などで戦争放棄や専守防衛をうたっているのは日本だけじゃない。そういう国もちゃんと軍隊はあるし、敵が来れば戦う覚悟は持っている。文言以前の問題だからだ。9条論議ではまた、「若い人を戦場へ...云々」という言葉もよく聞くが、これが一番気になる。おやおや、若い人だけ戦わせる気なの?むしろ子供や孫を先に逃して、老い先短い自分が火でもつけて、すこしでも時間稼ぎをするとか、そういう風に考えるのがウクライナの教訓じゃないのかな?

また、自衛隊にとっても憲法以前のいろいろな問題があるらしい。我々は、実は心の奥底で「でも、本当に敵が襲撃してきたら、自衛隊が戦ってくれるんだよね」と考えている。だがそうはいかないかもしれないのだ。例えば戦車は緊急車両ではないから、どんな時だろうと制限速度は守らなくてはならない。消防のヘリは緊急着陸して住民を保護できるが、自衛隊のヘリはできない。
とはいえ、実際に戦争が起これば、戦車はキップ切られつつも最大速度で反撃に向かうだろう。そうなると「日本の”軍隊”が、法のコントロールを逸脱して勝手に行動を始めた」「軍隊のヘリが校庭に”違法に”着陸して、生徒を収容している」というようなニュースが世界に流れる。これでは外国企業や資金は我先に逃げ出すだろう。改憲反対派も賛成派も憲法論議は後回しにして、そのへんを考える時だと思う。

ゴールデン・カムイ

マンガ配信サイト、となりのヤングジャンプ(https://tonarinoyj.jp/)で、ゴールデン・カムイが全巻無料公開中だ。

初めて見たとき、この作者が北海道出身でないとしたら道民の名折れだろうと思い、北広島市出身と知って安心した覚えがある。北海道の自然や歴史、風俗、アイヌの生活文化などが、それほどまでに綿密に描かれているからだ。私が特に感心したのは、キャラクター一人ひとりのバックグラウンドストーリーやエピソードが綿密に組み上げられていて、誰だっけという人物がいないこと。歴史的事件や登場する小道具が、巧みに伏線となって物語を推し進めていること。細部へのこだわりと同時に、登場人物の性格や行動が、他のマンガや小説では見たことがないほど大胆でダイナミックなことなど、数え上げればキリがない。また、見たこともないほど下品なシーンもあり、残酷シーンも山盛り。かと思えばシリアスなシーンの中に、ギャグを放り込んでくるなど、作者の懐の深さや胆力のようなものがひしひしと伝わる。

2019年にイギリスの大英博物館で開催された日本のマンガ展は、ここでこれまで開催された日本に関する展覧会の中で、最大のスペースが割かれた大規模なものだったが、そのキービジュアルにヒロインのアシリパが選ばれている。マンガは国内販売1500万部と言われているが、それ以外に世界中にどれだけの読者がいるか、計り知れない。

私は、昔から北海道にはヒーローがいないのを残念に思っていた。道外各地には、戦国大名や武人、文化人、物語の主人公など、偉人が目白押しで、それぞれ優れたエピソードが伝えられている。そういう地域の人が、苦境にたったときに地元の英雄の言葉やエピソードを思い出して頑張ることもあっただろう。北海道はその部分がちょっと弱く、一番知名度が高い人物が1年程度滞在したアメリカ人である。ゴールデンカムイはマンガではあるが、これからの北海道を代表する新しいヒーロー、ヒロインが生まれたのではないかと思う。