誰かに、一生のお願いをしたことがあるだろうか。子供時代におもちゃか何かを買ってほしくて言ったかもしれないが、大人になってから、まともな理由でした人は少ないだろう。これまで、そこまでしなくて済んでいれば幸いだし、連発するのもどうかと思う。
だが、いい歳になったのだから、せっかくなら、そろそろ周囲の人に対して、一生のお願いを使い切ってしまうのはどうだろう。金の工面というような生々しいのではなく、何度も頼むにはちょっと図々しいが、1回だけなら、そんなことで良ければと相手が喜んで応じてくれるようなお願いだ。これをするには相手との距離感の見極めが大切だし、同様のことを自分にも遠慮なく言ってくれと言うのをわすれてはならないが。
一生のお願いなどと軽々しく口に出してはいけないが、歳を取ると時間の経つのが早く、人間関係もこれといってドラマのないまま、なれ合いで過ぎてゆく。日々の生活が軽々しいようではつまらないので、手頃な刺激を与えて、もう少し人間関係に重みを持たせるのは悪くないと思う。特に誰かと小さなわだかまりがあるときなど、解決するのにちょうどいい口実かもしれない。
逆になにかのときのために、一生のお願いを取っておくというのも、なんだかみみっちい。だからそろそろ一生のお願いを使ってしまうのは悪くないと思う。

