忍術道場

北海道にも忍術道場がある。場所はここでは公開できないが…。表から内部が見えないので、通りがかるたびに誰か出入りしないか見ていたのだが、その気配はない。おそらく主婦やケータリング業者など、いちばん怪しくない格好をしているのが忍者だろう。そこまで分かってる私が見逃すはずはないと思うのだが、すぐ脇を通り抜けてるのに気づかないということもありうる。

忍者の七つ道具のひとつ、十字手裏剣はよい子の必須アイテムだ。ワッシャーや釘などで、作った人も多いだろう。素材を探し、デザインを考え、根気よく削り上げる。がんばればできるという達成感と、バカをやると痛い目にあうという教訓も得られる。お子様の健やかな成長には欠かせない品だ。
だが、作った人はわかるだろうが、あれを何枚も懐に入れて素早く取り出すのは無理である。どう置こうと、どれかの切っ先がこちらを向いてるのだから、危ないことこの上もない。毒を塗るなど論外である。その点は大人になるにつれて、むしろ謎が深まった。専用のケースがあるふうでもないが、史料として現物はちゃんと残っているのだから。

私は過去数十年間、十字手裏剣についてたまに考察を重ねた結果、あれはウソなのではないかという結論に達した。そんな言い方をすると身も蓋もないが、実戦ではウソは極めて効果的な戦術である。例えば「地雷原を敷設するのに最低限必要なのは何個か?答えゼロ個」というのがある。「ここから地雷原」という看板を立てるだけで、敵軍は除去作業をしなくてはならなくなり、進軍スピードがぐっと遅れる。それで十分地雷としても役割を果たす。虚実とりまぜた情報をコントロールし相手を不利な状況に導く。それこそがウソの効用であり、かの孫子も「兵は詭道なり(戦争とは騙し合いだ)」と言っている。

そう考えると十字手裏剣も、敵の忍者を混乱させたり、クライアントである戦国大名たちへのプレゼンテーションのための、はったり新兵器だったのかもしれないと思う。

冬の札幌、珍名所

「え、どこに?」「なんで?」
観光客のそんな声が聞こえてきそうな、札幌中心部は冬の珍名所「座ろうテラス」である。いろいろわかりにくいが、デッキ状になって雪がこんもり積もっている部分が、そのテラスである。夏だと少しは主旨が伝わるのだが、冬はご覧の通り。

「札幌市民は雪の中に座り込む風習があるのですか」....いいえ、ありません。
「冬になったらどうなるか、作った時にわからなかったのですか」....市民なら、誰でも見当がつくことでした。
「それなのになぜ、『座ろう』と書いてあるのですか、危険はないのですか」....こういう取り残された雪の山の下から、春になるとよく行方不明者の凍死体が見つかります。
「せめて雪かきしたり、冬だけ撤去できないのですか」....

いいか観光客、この話題は禁止だ!!

さっぽろオンライン雪まつり、閉幕

さっぽろオンライン雪まつりが閉幕した。期待はしてなかったが、成り行きに興味があったので注目していたのだが、思った以上の盛り上がりのなさ。このご時世で無理もないとはいえ、すがすがしいくらいの討ち死にである。そもそもやってたこと自体知られてなかっただろう。突発的な雪像制作中止を受けて、何かしなければならない人たちだけで、こっそりアリバイ作りをしたというところだ。

ただ、中には意欲的企画もあった。blenderという無料の3DCGソフトを使った、バーチャル雪像の募集である。初心者のために、指導講座も設けたらしいが、アーカイブサイトを見てもそれらしい作品はない。応募自体がなかったのだろう。
3DCGは難しい。全くの素人からはじめてイメージ通りの造形ができるようになるまで、早くても数カ月はかかるのではないだろうか。それを短期間のうちに入門から作品提出までというのは無理もいいところだ。

ただしこの企画によって、blenderをインストールし、勉強を始めた人がいたなら、それは札幌市の人的財産になる。今回の失敗に懲りずに、何度でもバーチャル作品の募集と指導講座を続けるなら、3DCGを札幌市の産業資源にできるかもしれない。ちなみに、こういう3Dソフトのユーザーには、50代60代の人が結構いるような気がする。この世代の人には、PCが普及し、映画などでCGが登場し始めたが、高くて手が出せずにいた人も多い。特に理系の人たちはそうだ。それが無料の3DCGソフトの存在を知って、若き日の夢を叶えている。ネット上で公開される個人の3DCG作品の中に、妙に昭和感のあるものがあるのは、そういうことだろうと思う。