パンチェッタ

パンチェッタを作った。イタリア式の豚バラ肉の塩漬けである。新しい郊外スーパーに行った際に、ロール状に巻いてネットをかぶせたバラブロックが売られていた。パンチェッタを作ってくれと言わんばかりなので、試してみたのだ。

パンチェッタは、バラ肉にたっぷりの塩や香辛料をまぶして数日間冷蔵庫に置き、塩を洗い流して紐を結んで室内に吊るしておくだけで出来上がる。肉の塩干食品である。生肉を室内に放置するのは危険に思えるが、冬の北海道ならけっこう寒い空間もあるのでまず問題ない。これに燻煙をかければベーコンになる。ベーコンと違ってまず売っていないし、通販ならあるが外国製なので高い。

スパゲティ・カルボナーラは、本場ではベーコンではなくパンチェッタで作る。パンチェッタを最初に炒めて脂を出し、でんぷんの混じったパスタの茹で汁を入れ、脂を乳化させてクリーム状のソースにする。料理に使わずにそのまま食べてしまうこともあるようだが、ちょっと怖いので自家製ではやらない。

自作したパンチェッタは、既製品のベーコンなどに比べるとはるかに旨い。近年話題になったドライエージングと同じで、無味のタンパク質が分解されてうま味の元のアミノ酸に変わるのだ。既製品のベーコンは注射で肉の内部に調味液を押し込み、煙の代わりに燻製液に漬けただけなので、旨さの次元が違う。料理に使えば、鰹節のようにダシになってくれる。

日本は魚で、欧米は肉の食文化と言われているが、考えてみれば冷蔵庫がなかった時代に精肉店で生肉を買えたとは思えない。西欧でも近世になるまでは、一年を通じて塩漬け肉を食べていたはずで、西欧料理もそこに原点があるような気がする。
※試してみても後悔はしないと思うが、あくまで自己責任で。やるなら、手や食器をアルコール消毒してからのほうがいいかもしれない。

壽七五三(ことぶきしちごさん)

七五三は、3歳、5歳、7歳の子供の成長を祝い、これからの豊かな人生を願う行事である。自分がやらなかったので、あまり印象はなかったのだが、先日なにげなく千歳飴の袋を見て意外なことに気がついた。子供向けの絵柄だろうと思っていたが、実は翁(おきな)と媼(おうな)の絵、能の演目である「高砂」のジジババの絵だった。

「千歳酒」にしようかと思ったが、非常に近いメーカーがあるので、とりあえずパス。そこでやればいいのに。

高砂といえば、今はやらなくなったが昔は結婚式で必ず歌われていた。そう考えるとかつての日本人は、七五三から結婚式まで、高砂でその長寿を祈られていたのである。だとしたら、つつがなくジジババになれたら、その旨を神様に報告する儀式があってもいいだろう。そこで75歳3カ月になったら、長寿祝いの七五三詣でをするのはどうだろう。喜寿、古希などの家での祝い事とは別に、神前に詣でて、お祓いを受けるのである。その際、なにか象徴的な儀式もほしいので川柳を一句詠んで奉納するというのもいいかもしれない。この際、なかなか着る機会のない紋付き袴や留袖を着るのもいい。また、千歳飴を持ってないと様にならないが、中身は酒がいいだろう。

プーさん、大暴れ

プーさんが大暴れ中だ。かつては、世界の指導者の中でも、ひときわマッチョでしたたかな印象があったが、顔つきまですっかり変わってしまった。年齢のせいとも、もっとまずい状態になってるとも言われている。
かつてのような超大国を目指すのは大いにけっこうだが、自分の生存中にそれを達成しようというのは、妄執だ。絶対権力者なのだから、周囲のあらゆる反対を振り切って、何十年も先に日の目を見るような大規模な産業、経済政策に着手しても良かっただろう。
彼が、今さらこれ以上の権力や地位を望んでいるとは思えない。もしかすると、国民にかつての栄光や誇りを取り戻させてやりたいと思ってるのかもしれない。地獄への道は善意で舗装されているとはよく言ったものだと思う。
それにしても経済制裁は、恐るべき威力だ。国民は、かつてのソヴィエト崩壊後のように、配給の列に並ぶことになるかもしれない。また、戦争の終結が制裁の終了とは限らないから、結果に関わらず、何年、何十年もハンデを負って暮らすことになるかもしれない。善意か悪意か、またどんな理由や事情があったかに関わらず、侵略戦争を仕掛けたというだけで、その代償を払わされるかもしれない。気の毒ではあるが、その制約の中で国を発展させ、世界に貢献することで立場を回復していかなければならないのだ。簡単なことではないが、忍耐強い彼の国の人ならできるだろう。日本人にもできたのだから。