月の砂とスーツポート / アルテミス計画

月面へ降り立ったアポロ飛行士たちが最も「怖かった」のは、月の砂=レゴリスだという。レゴリスは隕石などが月に衝突したときにできた破片だが、空気がないため月の誕生時代から全く風化されていない。映像などでは無害な粉塵のように見えるが、顕微鏡レベルでは無数の尖った角を持ったガラス片のような形をしている。アスベスト粉末のようなもので、宇宙服をすり減らしたり、ジョイント部分から入り込んで装置を故障させる。静電気を帯びてあらゆるものにまとわりつく。もちろん吸い込めば人体に悪影響がある。

月面での居住に挑むアルテミス計画では、レゴリス対策が大きな課題となる。レゴリスは月のあらゆる場所を覆っていて、写真では黒い岩が露出しているように見える場所も、その表面はレゴリスに覆われている。ナノミリメーターという微小サイズのものもあり、高性能なフィルターを設置してもそれに頼り切ることはできないので、入り込ませない対策が重要になる。その一例がスーツポートだ。

宇宙飛行士たちの月面での屋外活動は、映画などで見る「エアロック」は使わない。宇宙服は居住設備の外側に据え付けてあり、背中の部分がハッチになっている。人間は屋内でこのハッチを開き、宇宙服に潜り込むように着込んで、ハッチを閉じて外出する。この仕組みが「スーツポート」だ。外壁に宇宙服が何着もついた建物というのは面白い眺めだろうと、「スーツポート」で画像検索をかけてみたが、1枚も出てこなかった。まだ設計途中なのかも知れない。

タイトル画像のはなし / 渓谷と鉄橋

なんとかAIの画像生成をものにしたい。昔ならネット上の画像は無断で使い放題とまではいかないものの、ここ程度の弱小サイトで使っても発見されなかった。おかげで勉強になったが、最近は権利関係がうるさくなる一方なので、背景画像や素材のテクスチャなどをAI生成で調達することにした。そもそも生成AIそのものが権利逃れのために生まれたとしたら、モラル的にどうかとも思うが、そのへんも含めてやってみなければわからない。

渓谷と鉄橋

さて今回は背景の渓谷とオオワシをAIで作り、CGの橋を組み合わせてみたが、あまり気に入っていない。渓谷はそれらしいものが上がってきたが、光の方向や垂直水平の方向が読み取れず、CGを組み込みにくかった。AI作の画像は、本来パースがしっかり読み取れるはずのビルなどでも垂直、水平の線が曖昧になってたりする。AIの特色なのかも知れない。
また、オオワシも納得できない仕上がりだ。橋脚の立つ部分があやふやなので、ワシで隠したかったのだ。現実的に考えればこの程度の川幅なら吊橋にすると思うが、英国の世界遺産「アイアンブリッジ」ふうの橋をかけて、自然とレトロな構造が一体になった光景を描きたかった。が、羽毛の具合が雑然としていて空の王者の風格が感じられない。いつもならこれを習作にして、橋の装飾などに手をかけるのだが、意欲がわかないのでこのまま行くことにした。近いうちに別のものにとりかえると思う。

張り倒す、蹴りつける、ひったくる

路上強盗ではなく、高齢者の動作の話。

張り倒す : 食卓の上の味噌汁を取ろうと手を伸ばし、手前の醤油差しに気づかず倒してしまう。

蹴りつける :前ばかり見て、床の上のものを蹴ってしまう。長年暮らした自宅の敷居に躓いてしまう。後者の場合、人間は最小エネルギーで効率よく動こうとするので、例えば敷居を越えるには、足元を確かめずに「前蹴りの何%の力で足を上げる」というようなプログラムに沿って動く。だが、筋力が弱っているので、足が十分に上がらないということだと思う。

ひったくる :ものを受け取る時に、ひったくるようにしてしまう。若い頃には気が付かないが、人間の腕も何キロかの重さがある。ものを受け取るときには若い時以上に力を込め、両手などで受け取らなかればいけないのに、習慣で片手で受けたりすると重さの分引っ張る形になってしまう。コーヒーなどの熱いものだと危険だ。

さらに悪いことにあわてて醤油差しを戻そうとして、味噌汁を引っ掛けて転がしてしまうというような連鎖反応も。ジョン・ウィックなみの連続アクションが、日々巻き起こる。それがハードボイルドな高齢者の日常なのだ。