ザ・マン(1972年、米TVドラマ)

先日、ローグ・ワンの記事中で触れた、米の黒人俳優、ジェームズ・アール・ジョーンズ主演のTVドラマである。ジェームズ・アール・ジョーンズといえば、「ルーツ2」のアレックス・ヘイリー役やシュワルツェネッガーの出世作「コナン・ザ・グレート」の邪教の司祭など、存在感のある敵役・脇役を演じた名優で、アカデミー名誉賞を受賞している。主演作品として思い出すのは、TVドラマ「ザ・マン」である。

ドラマは冒頭、米大統領や主要な閣僚を乗せたエアフォース・ワンが、ヨーロッパ歴訪中に墜落して全員死亡。副大統領や両院議長まで犠牲になったことで、政府は大統領就任の序列を探って、上院臨時議長ダグラス・ディルマンに緊急の電話をかける。が、その電話を受けた本人は、黒人だった。
NHKの海外ドラマ枠を何気なく見ていた私は、あっ、と声を上げてしまった。オバマ氏が大統領を務めた今日では想像もつかないが、当時は、黒人大統領というのは極めて現実味のないことだった。この黒人大統領を演じたのがジェームズ・アール・ジョーンズだ。

当初ディルマンは、党内の有力者の指示に従って傀儡大統領を務めていたが、徐々に自分のカラーを出そうとして彼らと対立していく。また、有力な黒人運動家の不正を知り、糾弾しなければならなくなって、自分を支持する黒人層からも反発を受ける。そんな四面楚歌の中で、大統領としての信念を貫こうとする姿を好演していた。

現在この作品はレンタルにも置いてないし、彼のWIKIにも出演の記録がない。ポリティカル・サスペンスの傑作なだけに、残念だ。

高齢者はスターウォーズを熱く語る 2

さて、ゴールデンウィーク中に「ローグ・ワン」を見た。実は評価が別れているそうで、最高傑作という意見と、駄作という意見があるそうだが、私は圧倒的に前者である。見たのはレンタルなので、劇場で見なかったことを後悔した。ネタばれで書いていくので、これから見る人は以下は読まないほうが良い。ということで、ここで新技、改ページを。
(と、思ったら改ページわかりにくいですね。上の「高齢者は…」のタイトルをクリックして、記事ページに行くと、改ページアイコンがあります)

高齢者はスターウォーズを熱く語る 1

先日、タイトルにある一文を読んで、愕然とした。そういえば、最初の封切りは1977年、なんと40年前である。思わず電卓で計算し直したから間違いない、40年である。
当時のファンは実に熱く、日本上映を前に、アメリカまで観に行く者が続出した。今のようにLCCなどなく、しかも1ドルが300円だった時代に、である。むろん我々も負けてはおらず、封切り前にアメリカから16ミリフィルムのダイジェスト版を取り寄せ、自主的に先行上映会を開いた。同じ映画を何度も観るというのも、このときからだったような気がする。アメリカのファンはさらに熱かった。手作りのベイダー卿やストーム・トルーパーのコスチュームで映画館に臨んだ。思えばこれが、今で言うコスプレの嚆矢である。そんな熱いヤツらが、「高齢者」の一言でくくられてしまったのである。

もう、いいもんね。ジジイと言われても、居直って熱く語っちゃうもんね。と言うわけで、全てが名シーン、全てが名セリフという中で、私が一番印象に残っているセリフは、1999年のエピソード1、ファントム・メナスの1場面だ。後のダース・ベイダーとなるアナキン少年に、ジェダイ・マスターのクワイ・ガンジンが問いかける。
「修行はつらいぞ」
するとこう答えるのだ。

「それが私の望みです」

聞いたか、若造ども!ジェダイの修行は宇宙一過酷で、ブラック企業など目じゃない。地球だったら児童福祉法違反でパクられるくらい大変な修行を、望みだと言ってしまうのだ。福利厚生がどうのと、つべこべ言ったりしないのだ。

最初のエピソード4.5.6の後、続編をあきらめかけるほど待たされた上、我々もすっかり擦れっ枯らしになって、昔の熱気を忘れかけていたときに浴びせられたこの一言。思わず堕落した己の魂を恥じ入り、宇宙の続く限りベイダー卿についていこうと心に誓ったのであった。