李子柒/文房四宝

毎回中国の伝統的な生活文化を紹介する李子柒。今回は中国文化の精髄、墨、筆、紙、硯の文房四宝である。

まずは墨。2017年秋、竹を切って土器の器をくくりつけて、たくさんの煤受けを作る。土器の皿に桐油を満たし、燈芯を立てて火をともし、煤受けをかぶせて立ち上がる油煙を付着させる。煤を集めて水で洗い、そのまま一晩放置する。煤を集め、ザルにひろげてそのまま1年以上寝かせる。燃料に油ではなく松の木などを使うこともあるようだが、油煙を使うほうがきめが細かく上等は墨になるという。
2018年の秋、骨膠と牛革のゼラチンを湯に入れ、そのまま蒸す。書いたときに墨色に青みがかった深みと輝きを出すために金箔と真珠の粉、さらに香りのために麝香粉、竜脳(香料)を擦って粉末にし、寝かせた煤と一緒に石臼で擦る。そこへ蒸して溶かした膠類を入れて練り、桐油を塗った台の上に取り出して叩いた後、棒状に伸ばして型に入れる。重しをして一晩おき、翌朝型から取り出して整形。磨き上げて刻印を入れ、そのまま半年以上乾燥させる。2019年の早春、墨の表面に蝋をかけ、刻印に金を埋めて墨の完成である。実に3年がかりの製造だが、中国では墨は年月をかけてゆっくり枯らしたものが良いとされるため、100年以上経ったものもざらにあり、高額で取引される。

続いて筆。2018年秋、紫竹を筆の長さに切って、曲がらないよう板にくくりつけて翌年春まで乾燥させる。江南地区の山羊毛(さんようもう)の、首のあたりの「細光鋒」「粗光鋒」と呼ばれる、先の透明に見える部分を選んで刈りとり、うさぎの毛と一緒に、脂抜きと癖直しのため石灰水に1日浸す。
櫛で梳いて綿毛を抜き、毛の根元を揃える。質の悪い毛を1本ずつとりのぞいたら広げた毛を丸めて穂にまとめ、根元を糸で結わえ、吊るして干す。乾燥させた竹を板から外して、節の部分を刳って穂を受ける部分を作り、接着剤でとめる。穂をふのりの水につけて、穂先を揃えて完成である。

紙は水墨画などに使う画仙紙。まず、カジノキの枝から皮をはいで硬い表皮を取り去り、1日日光で干した後、半月間池に沈める。草木灰と一緒に10時間以上煮る。汚れや硬い部分を取り除いた後、叩いてから切り刻み、石臼で搗いてほぐし、水槽で網を貼った木枠の中でほぐして、引き上げて乾燥させれば画仙紙の完成である。

最後は硯。1919年春 広東省名産の硯で名高い端渓石に下絵を描いて鏨でひたすら削っていく。陸の部分は石粉で削って、墨を擦りやすいようやや荒目に仕上げ、周囲の模様の部分は蝋で磨いて光沢を出す。

3年をかけてようやく完成した文房四宝を使って描くのは、水墨画の竹。これを携えてマレーシアへ行く。シンガポールについで中国人が多く、華僑圏に数えられることもあるマレーシアの、ロイヤルファミリーに会ったとのことだが、誰かはわからなかった。マレーシア国王といえば、今年1月、ムハマド5世国王がロシア美女と結婚するため退位し、話題になったが、もちろんこの動画に登場した人物ではない。


「凶」の運勢

東京都内のとある有名神社のおみくじは、「凶」が多いという話を聞いた。5割は凶ではないかとさえ、言われているらしい。そんなおみくじに何の意味があるのかといえば、すぐ目の前に大きく「厄払い祈祷」の看板が出ている。つまりそういうことだ。

それを聞いたとあるクリスチャン氏は、自分には無意味だと豪語し、わざわざ引きに行った。結果は案の定「凶」。流石に気味が悪くなったそうだが、そこで引き直せば、それはそれで神社の思うツボ。さらに高確率で二連続凶が出るわけだから、まんまと術中にはまってお祓いをしかねない。だからと言って教会に行ったところで、TVゲームじゃないのだからお祓いをしてくれるわけじゃない。そんなものをひくからだ、と言われるのが関の山だ。
この程度では何らかの法律に抵触するとも思えないので、やり放題なわけだが、神罰的にはどうなってるんだろうか?

Poor Butterfly

John Raymond Hubbell (1879 – 1954)の作曲。動画は、ベニー・グッドマンの珍しいリハーサル風景である。「プア・バタフライ」とは、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」をテーマにした曲。けなげで気の毒な日本人女性の物語である。アメリカ軍人ピンカートンの日本での現地妻、蝶々夫人が帰らぬ夫を待ち続けた挙げ句、子供とともに死を選ぶという、現代ではいろいろピンとこないストーリーだ。今ならfacebookをたどってピンカートンの個人サイトにコメント。そこから炎上し、アメリカの怖い弁護士が寄ってきて、ピンカートンに泣きを入れさせるところまでがワンセットだろう。

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